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□結婚のご挨拶
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目の前にそびえ立つ大きな門
観光バスに揺られてやってきたのは恋人 イルミの実家
「実家まで観光バス通ってるってどういうこと?」
「うち、観光名所だからさ」
「暗殺」を生業としている一族の本家が観光名所で有名ってすごく矛盾していると思うのだけど
観光バスが戻っていったのを確認して私たちは門の前に立った
「これ 開けてくれる?
たぶんオレが開けて戻るとうるさいからさ、うちの親」
「わかった…」
取っ手もない扉に両手をあてるとずっしりと重いのがわかる
ぐっと力を入れて押すとゴゴゴという鈍い音と共に扉が開いた
「ふーん、いいの?
4か5くらいまで開ければよかったのに」
「うん、いいの
私 別に力自慢に来たわけじゃないし」
「ラムがいいなら いいけど」
イルミはそう言い、私の手を取って家までの道を進んだ
「あれがイルミの選んだ子…?
1の扉しか開かないなんて、大したことないわね」
「…」
「行きましょ、カルトちゃん」
「はい、お母様」
イルミもラムも機械を通したその視線には気づかなかった
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