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□針
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イルミと仲直りのキスをし、一緒にベッドに入った



「イルミはさ、天国ってあると思う?」

「は?何言ってんの?」

「あると思うかどうか答えて」

「っ…、ないと思う」



こんな小さいことに念を使うな、って顔に書いてあるイルミ
だって、素直に答えてくれないんだもん



「私はあると思うの
天国も地獄も
私、死んだら天国に行きたいんだぁ」

「そんなの、誰だって地獄なんて望まないよ」

「うん、そうだね
でもきっと、普通に死んだら私 地獄行きだと思うんだよね
今までいっぱい酷いことも、悪いこともしたし」

「じゃあオレもラムと一緒に地獄行きかぁ、人殺してるし」

「ふふ、そうだね
でもね そうとわかってても天国行きたいの
天国で、天使とお花に囲まれて ずーっと笑ってたいなぁって」

「なにそれ、退屈じゃん」

「退屈とか言わないの
私ね、考えたんだ どうやったら天国行けるかなーって」

「今更 償っても遅いんじゃない?」

「うん、たぶんね
まず、悪いことやりすぎて覚えてないし
だから私なりに考えたの
好きな人に殺されたら、天国行けるんじゃないかなーって」



好きな人に殺されるって
きっと行きてる中で1番悲しいことだと思うんだ
だから、盛大なバグが起こって天国行けちゃうんじゃないかって



「オレはラムのこと殺さないから
さっきみたく命令されても絶対に
天国なんて行かせないし、天使なんてふわふわした奴のところになんて行かせない」



いつになく真剣なイルミ
あ、もしかして 私にまた殺せって命令されるって思ってるのかな?



「暗殺一家の長男が殺さない宣言って、なんか面白いね
大丈夫、もうしないよ
それに 考えてみたらさ イルミに命令して殺されたらそれって自殺じゃん?
自殺した人って天国行けないんだって」

「へぇ、そうなんだ」

「うん、だからさお願いね
私が死にそうな時は 針解除するから
イルミが私を殺してね」



_____



イルミside.



「うん、だからさお願いね
私が死にそうな時は 針解除するから
イルミが私を殺してね」



目の前の人が言う
そんな遺言みたいなお願い聞くわけがない


だって、ラムの理論でいけばオレが自分の意思でラムを殺したらラムは天国に行くんだろ?



オレは死んだら100%地獄
ラム理論でいけば、オレが天国に行くにはラムに殺されないといけない



つまり、2人で天国に行く道はない
だったら死んでも地獄でずっと一緒の方が天国なんかよりも1000倍いいに決まってる



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