†966†

□意地
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ここなら絶対に見つからない
そう自信のある場所に隠れた



クロロは私のことを頭いいって言ってくれる
だからスタート地点から1番遠いところではなく、あえて近めのところに隠れると踏んでいるはず



でも、私はその裏をついて1番遠いところに行くもんね!
1時間もあれば、スタート地点から1番遠くて人の多いところに着くなんて簡単だもん



「うんうん、この辺がベストだね
あとは絶で気配を完全に無くせばいいだけ」



時計をみると約束の1時間が経過している
今からクロロがスタート地点を出発しても、ここにくるまでに時間がかかる


その間にこの人混みに紛れれば、絶対に見つかるはずない



「あーあ、せっかく来たんだからアトラクションで遊びたかったなぁ」



気配を消しながら人混みに紛れて辺りをみる
150以上のアトラクションがある広いパークはとても1日で遊び尽くせない
軽く1カ月はここにいられるのにぃ



私がスタートしてから1時間15分が経った
クロロは今頃どの辺で私のこと探してるかなぁ

ま、ここに来るのにも30分以上はかかるだろうし、もう少し のんびりできるかな


「ラム、みつけた」

「?! クロロ! どうして?!」



確かに一瞬 気は緩めた
でも、絶を解いたわけじゃない
気配は完全に消していたのに
どうしてクロロが私の目の前にいるの?!



「さて、もう一度だ
また1時間後に俺はここからスタートするからな
がんばって隠れるんだぞ」

「ねぇどうして?
なんでわかったの?」

「それは秘密だ、ほら 時間がなくなるぞ」

「ぐぬぅ、次は絶対に見つからないんだからね!」



どうして?わからない
気配は完全に消してた
クロロにも 絶は褒められていたし
やっぱりさっきの気の緩み?

だとしても、スタート地点からあの場所まで15分でたどり着くなんて、一体 どんなスピードなの?!



考えるのはやめよう
私とクロロに大きな力の差があることは歴然 きっと私なんかにできないことをクロロは簡単にできる



それなら、この勝負に私の勝ち目はあるの……?



「絶っっっ対 負けないもん!」



相手が大好きなクロロだからって、負ける理由にはならない
いくらクロロがすごくても、私だって そんなすごいクロロから教わってるすごい子なんだもん!



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