†966†

□想 クロロside.
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1ヶ月



ラムに与えた時間だ



同時にオレに与えた時間でもある



ここ半年 オレはずっとラムと時間を共有していた


彼女の念を覚醒させることは、オレにとってただの暇つぶしだった



彼女を一目見てわかった
オレと彼女の人生が交わることはない
お嬢様のラムとオレとでは
生まれた場所も生きていく世界も何もかもが違う



ただの暇つぶし
暇じゃなくなったらいつでも捨てられる、そう思っていた



それなのにオレは、気づいたらこんなにもラムに入れ込んでいる…



_____



『クロロー!
なでなでしてぇ』

『すごいぞ ラム
本当に飲み込みが早いな
さすがだ」

『クロロの教え方がいいんだよ
よーし!私 もっともっとできるようになるから!そしたらまたなでなでしてね』



_____



自分の手に視線を落とす



ただ頭を撫でるだけで、ラムはあんなにも喜んで、本人の言う通り 良い結果に繋げる



なんて単純な生物なのかと思った
こんなことで喜ぶなら扱いやすい
だから、オレはラムを撫でてやった



最初はそう考えて、意図的にラムの頭を撫でていた
それなのに、最近は気づくとラムの頭を撫でてやっている自分がいる



「オレは…」

「団長?」

「あぁ、何でもない 行くぞ」



オレはラムの何だ?
オレにとってラムは何だ?
わからない



だからこの1ヶ月で、その答えを探すんだ



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