†966†

□自立
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次の日、ホテルをチェックアウトした私達は飛行船でとある島に来ていた



「うわぁ!海だぁ!森だぁ!
大自然だぁ!」



ずっと都会のビル群の中にいた私にとって街からこんなに離れた島というのは新鮮だった



「ここはオレの所有する島だ
広さは大したことないが 自然豊かで自給自足にはもってこいなんだ」

「え?!これクロロの島?!
空から見たとき結構 広かったよ!?」



クロロにはぐらかされるから、ずっと聞かないでいるけど 一体クロロって何者なんだろう?

私達がずっといたあのホテルの部屋だって一泊50万Jはするだろうし…それを半年だから…ほぼ1億Jにはなる



「ってか、自給自足?」

「あぁ ラムには今日から1ヶ月ここで生き抜いてもらう」

「1ヶ月?!」

「あぁ、ちょっと野暮用でオレは行かないといけない、それが1ヶ月なんだ
だからその間 ラムの修行をどうしようか考えたんだが、連れて行くわけにもいかなくてな、それでこの島を思い出したんだ」

「1ヶ月、ここで1人?」

「寂しいか?」

「当たり前でしょ!
ずっとクロロと一緒にいたのに、いきなり1人ぼっちなんて…
それに、私 サバイバルとかしたことないし」



そもそもキャンプすらしたことないのに、どうやってお外で生活したらいいの?



「んー、そうか 弱ったな
やはりお嬢様のラムには 酷だよな…」



クロロはうーんと考えるようにした
その言葉で、私の謎のプライドスイッチが押されたことも知らず



「そうだな、やはりラムにここでの生活は…」

「やる!」

「ラム?」

「私、ここで暮らすから!
1ヶ月 クロロがいなくてもここで生き抜くから!」

「その言葉、撤回するなら今のうちだ
1ヶ月 オレは本当にここには来られないし、連絡もできない
もし早い段階でギブアップしたくても誰も助けに来ないんだぞ?」

「絶対にギブアップしないもん
大丈夫 私 絶対にやり遂げるから」



私は揺るがない
お嬢様レッテルを塗り替えるチャンスなんだもん
ここで1ヶ月 完璧に過ごして そのあとはクロロに本気の特訓メニュー組ませるんだ!



「わかった、楽しみにしてる」



微笑んだクロロに頭を撫でられる
そっかぁ、あと1ヶ月 こうしてなでなでしてもらえないんだぁ…



「…オレはどうも、ラムに甘いらしい
ここには危険な動物や魔獣なんかは生息していない
動植物は豊かだし、食べるものにも困らないだろう
じゃあ、また1ヶ月後に」

「うん! またねクロロ
いってらっしゃい」



飛行船が見えなくなるまで私は手を振って見送った



「サバイバル、かぁ…
よし!がんばろ!絶対 クロロをびっくりさせてやる!」



私は早速 この広大な島を散策することから始めた



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