♯魔法の国
□あなたがいないと
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「♪〜」
「おい」
「んー?」
「今すぐやめねぇと、ぶっ飛ばすぞ」
「やーだ♡」
「チッ」
今頃、2時間目の魔法史の授業をしている頃だろう
私とレオナは、彼の部屋のベッドの上にいる
理由は簡単、安定のサボり
私はレオナのフサフサの毛を編んで遊んでいる
レオナはすごく嫌そうだけど、動いたり逃げたりしないから構わずに手を動かす
「はい、でーきた♡
みてみてー?上手にできてるでしょ?」
「あ?」
鏡を手渡すと、断られた
「何してるかと思えば、ガキかお前は」
「んー、ダブってるレオナよりはガキかなぁ?
学年は同じだけど♪」
「るせぇ」
レオナは起きる気はないらしい
私に背中を向けて横になったままだ
「ねぇ、レオナー
授業でないのー?また留年するよー?」
「出たいならお前だけ行ってこい」
「それは嫌、レオナと一緒がいいもん」
甘えるようにレオナの背中に擦り寄る
あったかくて、大きくて、安心する
レオナの全部が、大好き
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