♯魔法の国

□唯一無二の美しさ
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_____鏡よ鏡、今日も世界で一番美しい私の姿を映しなさい




服には一切のシワもなく
髪は痛みなくサラサラの指通り
肌は常に手入れを怠らず至近距離でもスキのない素肌
メイクはクドくないように、そして華やかに
爪の先までケアをしてこその美、磨き上げてツヤを保つのが基本

見た目の美しさはもちろん、食事で内面からも磨き上げ、知性という品性も兼ね備える完璧な姿



これでこそ、ポムフィオーレ寮生としての在るべき姿
今日も私は美しい……それに比べて




「ラムちゃん!貴女という子は!」




服の着こなしもなってないし、メイクもしていない
おまけに部屋もだらしなく、またチョコレートのゴミが散らかっている




「ヴィル様ぁ…ごめんね♡」

「ごめんね♡
で、許されると思ってるの?全く…」




こんなにだらしなくて、見た目にも気を遣わないラムちゃんに何故、この私がこんなに手を焼くかって?

決まってるじゃない、それはこの子が美しいからよ!



こまめに手入れをしているわけでもないのに、いつでもサラサラの髪
たいしたケアもしていないのに、一切の曇りのない白い透明感のあるお肌
生活習慣も最悪で、食生活は崩壊しているのに崩れない完璧なスタイル
そしてなにより、生まれ持った完璧な容姿と鳥のさえずりのような可憐な声



ラムちゃんは私が認める、美しい子
もちろん、頭もよく魔法のセンスも力もある完璧な子
私が世界で最も愛している子




「わーい お部屋キレーになったぁ
ヴィル様さっすがー♡」



この私がお部屋を掃除しているのに
手伝うどころか、新たに散らかしだす始末…
全く……、私だってなんで貴女にこんなに入れ込んでるのか自分で自分を問いただしているんだから




「だーいすきー♡」



私に無邪気に抱きつくラムに
さっきの問いの答えが降ってくる
『ラムちゃんを愛してるから』
仕方ないじゃない、初めて貴女に会った瞬間から私は貴女の虜だったのだから



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