chain

□かんめい
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男はほらよ、と私にそれを返した





「なんで…」

「言ったろ?別に狙ってねーって
でも、気ぃつけな 嬢ちゃんみたいなヒヨッコは悪ぃ奴らの恰好の的だ」

「納得いかない!
ねぇ、どうやったの?
だって私 ハンターライセンスここにしまってたのに
もしかしてオニーサン 新手のスリ?」

「ちげーよ」

「じゃあ何?」

「言ったろ?ただの格闘家だ」

「信じない」

「事実だ!」





納得できない
だって、私はお兄ちゃんにスリを教わったときにスリの見分け方や狙われない方法も教わった
そんな私が、たかが格闘家の動きに気づかないわけがない





「ったく、見た目の割に気の強い嬢ちゃんだ」

「ねぇ、私にも今のやつ教えて」

「は?」

「だーかーらー
どうやってオニーサンが私からこれを盗ったのか、教えてって言ってるの」





絶対に何かタネかシカケがあるに決まってる、そうじゃないと私がすられるなんて信じられない





「どうもなにも、普通に嬢ちゃんのかばんを開けて、取っただけだが」

「そんなの普通気づかないわけないでしょ?
教えて!ねぇねぇ!」

「ぴーぴーうるさい嬢ちゃんだ
ったく、教えて欲しいならそれなりの態度があんだろ」

「お願い、教えて」

「お願いします、教えてください
だろ」

「いちいち細かいなぁ
ハイハイ、お願いしまーす 教えてくださーい」

「ッ なんかムカつくが、まぁいい
さっさと飯食ってついてこい」

「は?ヤダ」

「んだと?!」

「普通に考えて、私みたいな可憐な女の子がオニーサンみたいないかにも怪しい人にノコノコついてくわけないでしょ?
ただでさえ、オニーサン どう考えても私より強いし」

「わーったよ
んならこれ、預かっとけ」

「ん?ハンターライセンス?
え?もしかしてオニーサン ハンターなの?」

「あぁ、嬢ちゃんの大先輩だ」





ハンターライセンスと目の前の男を交互に見る





「イズナビ…さん、って言うんだ
私 ラム ヨロシクね」

「あぁ」





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