chain
□なやみけつい
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約束通り、クラピカは戻ってきた
その姿を見たとき、私は迷わずに彼の体を抱きしめた
もうどこにも、消えていかないように
私の前からいなくなってしまわないように
「おかえりなさい、クラピカ」
見送った人を再び迎えられる幸せを噛みしめる
クラピカは、ここにいる
ちゃんと戻ってきてくれて…
「ただいま、ラム
すまな…」
「ごめんね、クラピカ!
私 ずっと考えがまとまらなくて…
お兄ちゃんはクラピカの仲間…私たちクルタ族に酷いことしたのに…
そんな人なのに、私…」
「ラムの家族であることに変わりはない、だろ?
ラムが自分を責める必要はない、無理に家族を嫌いになる必要もない」
「…ごめんね、私…なんも決められなくて…」
涙が一筋頬を伝う
悲しいのか、悔しいのか、優しくされて嬉しいのか、わからない涙
「これだけは信じて…
私はクラピカのことが大事だからね
どこにもいってほしくない、死んでほしくない…」
1番大事とか、言えればいいのに
そんなクラピカにも自分にもバレる嘘なんて、うわべだけの言葉なんて言いたくない
「ラム、私は君が好きだ」
「え…?」
「すまない、ずっと、言えなかった…
自分の目的のために命すら投げ打つ覚悟の私が、そんなこと言う資格などないと思っていた
だが、ラムの言葉で考えがかわった、命をかけるのと、命を投げ打つことの違いを」
クラピカが、私を、好きって?
そう言ったの?
「前に、私に言ったね 二度捨てられた自分は世界に必要とされていないと
今でも、そう思うか?」
「え、っと…」
「例えラムがそう思っていても、私にはラムが必要だ
君の家族が…世界が…君を必要としてなくても
私にはラムが必要だ
ラムでなくては、きっとこんな風には思わない」
真っ直ぐで、揺らがない意思が見えた気がした
クラピカ…、どうして貴方は私にそんな素敵な言葉ばかりかけるの…
「嬉しくて…、たまらない…
クラピカ、 私も貴方のことが好き
私にも、クラピカが必要だよ」
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