長編 禁じられた二人

□episode 9 〜仲直り〜
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あの電話のこと、梓のことが引っかかってたみたいやった

あれは嘘だったこととあの時の気持ちを包み隠さず話した

でも私やって引っかかっとる…

『それに、美優紀さんの方が好きやないんかって思って…』

彩「そんなわけないやろ。夢莉…やって言ったやんか!!」

無理矢理襲った時、彩さんは私を愛してると答えてくれた

なのに…

あの時、私は…どこか彩さんを信じれてなかったんや

『彩さん…ごめんなさい。愛してるからお願い。』

彩さんはあんな酷いことをした私を許してくれた

荷物を送らなかった理由を話したら、あほやなと言われた

仲直りのキスをして、そのまま…寝室へと思っとったら


彩「ふぅ…」

彩さんの体から力が抜けて私の方へ倒れてきた

私は咄嗟に受け止めて彩さんを抱きしめた

『彩さん?どうしたの?』

彩「なんか、しんどい…」

そう話す彩さんのおでこを触った。

かなりの熱があったみたいで彩さんはそのまま意識を失い倒れた

『彩さん!!しっかり!!』

そう叫ぶけど彩さんからは返事がない

どうしよ…

彩さんになにかあったら…

体もおでこも熱くて、熱があった…

私のせいだ…

急いでベットに連れて行って、寝かせてあげた

彩「はぁっ、はぁっ…ごめん…」

意識を取り戻した彩さんが謝ってきた

『なんで謝るの?』

謝らんといけんのは私の方なのに…

彩「やって、迷惑かけ…た…」

『そんなことない。きっと、疲れが出たんや…大丈夫ゆっくり休んだらええから。』

彩「ありがとう…夢莉…」

力なく笑いながらそう言うと彩さんはそのまま目を瞑った

家に冷えピタなんかなかったからコンビニに買いに行こうとしたら彩さんに洋服を掴まれた

彩「はぁ、はぁ、行かん…とって…」

『でも!』

彩「お願い…やから…な…?」

『それじゃあ、熱下がらんやんか』

彩「夢莉が…おってくれれば…ええねん…」

そう言われたら何も言えんやんか

『わかった…彩の傍におるよ』

彩「ありがと…」

『やから、今はとりあえず寝て?』

彩「うん…おやすみ、ゆぅり…」

『おやすみ、彩』

おでこに軽く、ちゅっとすると嬉しそうに彩さんが微笑んだ

それから彩さんが寝たのを確認してから布団を出てタオルを濡らして彩さんのおでこに乗せた

それから、風邪薬どこあったかなーなんてリビングで探しとると

私のではない着信音が鳴り響いた

テーブルの上に置いてあった彩さんの携帯

“美優紀”

画面に映し出されたのはあの人の名前やった

ダメだと分かってながらも私は彩さんの携帯を手に取り電話に出た

美優紀「さやかちゃん!今どこおるん!?」



to be continued…


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