長編 禁じられた二人

□episode 3〜新たな一面〜
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彩side



今日は待ちに待った夢莉との初デート

夢莉がデートプランは考えてくれたみたいやからホンマ楽しみ

待ち合わせ場所に着くと、壁に寄りかかってスマホを弄っとる夢莉の姿が見えた

『ゆー…り?』

走って行こうとしたら、夢莉は女の子2人組に声をかけられて握手をしとった

なんやあの笑顔…私には見せてくれへん笑顔やんか…

確かに夢莉はいつも笑顔やけど…私に見せる笑顔と違う気がしてなんだかモヤモヤした

あかん…視界がボヤけてきた

夢莉「あ、彩さん!」

夢莉のとこに行きたいのに行けないでいたら夢莉が私に気づいて走ってきてくれた

夢莉「おはよう、彩さん!」

『おはよ…』

さっきのモヤモヤのせいで素っ気無い挨拶してもうた

夢莉「彩さん?体調でも悪い?」

俯いとると下から顔を覗き込まれて優しい笑顔で聞かれた

『ううん、ちょっと寝不足なだけや…』

夢莉「え?寝てへんの?んー…今日はやめとく?」

『デートが楽しみ過ぎて寝れんかったんよ』

あまりにも心配そうに見てくるから、強がってそう言うた

夢莉「彩さん、可愛い!それなら、よかった!ほな、行こか?」

自然と私の手を握り車道側に移動して歩き出した夢莉

やることがサラッとイケメンすぎて私の心臓、今日1日持たへん気がすんねんけど…

夢莉「彩さん、最初はねー…」

「もしかして、夢莉ちゃんやない?」
「ホンマや!」
「太田夢莉ちゃんですよね?」

夢莉「そうですけど…」

「え?ホンモノだっ!」
「あ、あの!雑誌買っていつも連載見てます!」
「やっぱホンモノもっと可愛い!」

夢莉「ありがとうございます!」

「あの、写真撮って握手とかってしてもらえますか?」

夢莉「写真は撮りたいねんけど、事務所からNG出てるからごめんなさい。握手なら…」

「うわー!夢莉ちゃんと握手しちゃった!!」
「もう手、洗わん!」
「これからも応援してますっ!」

夢莉「手はちゃんと洗ってな?(笑)ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします!」
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