長編 禁じられた二人

□episode 8〜あなた以外〜
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がちゃんっ。


『開いてた…』



夢莉は言った通り、ドアを開けててくれた。


それに中に入ると居なかった…




どこか居るかなって、期待した私はやっぱり馬鹿だ。





荷物をまとめて、帰ろうと立ち上がろうとしたとき…




「彩さん…」




声がして後ろを振り返ると…

幻かと思った。




『夢莉…』



夢莉が居た。

帰ってきたんや…



どうしよう、ここから動けない。




「ほんまに、行くんですか?…」



『行くで…やって、夢莉が…』


ガシッ。




私が夢莉を避けてドアの方へ行こうとすると、腕を掴まれた。




『離してや…嫌いやねんな?』



「彩さんは?ほんまに嫌い?」



なんでそんなこと聞いてくんねん、あほが…




『もう…なんやねん、、、そんなん言われたら好きしかないやろ!!あほ!!』



ぎゅっ、、、



「やっぱり私も無理や…彩さんしか無理です。」



『夢莉…』



「戻ってきて、彩さん。」



『でも、梓ちゃん?おるやろ…』



「あれは、嘘です。友達やけど、電話してなかったし…彩さんを襲って傷つけた罪悪感で…つい。」



『ほんま?』



「それに、美優紀さんの方が好きやないんかって思って…」



『そんなわけないやろ。夢莉…やって言ったやんか!!』



「彩さん…ごめんなさい。愛してるからお願い。」




泣く私をなだめるように、謝る夢莉…


ずるい。


あんなに酷いこと言って来たのに、全てがどうでも良くなった。





『もうええよ…もともとは私が悪いんやし。夢莉…』



「じゃあ、また戻って来たね?」


『うん。夢莉のところがええねん…』



「良かった、引き戻すために取りに来させて…」


『なんや、嘘やったん?』



「そうです!」




夢莉は笑顔でそう言った…




『あほやな…でも、ありがとう。大好きや。』



「私も愛してる。おかえり、彩さん…」





強く抱きしめあった後は、お決まりのキスをした。

やっぱり、この人からもう離れられへんのや…






美優紀、ごめんなさい。



私はほんまに極悪人や…




それでも夢莉と居られるなら、もうなんでも良いって思う。













でも、その罰が来たのか…




『ふぅ…』



夢莉に抱きしめられて、少しすると体に力が入らなくて立ってられなくなった。



「彩さん?どうしたの?」



夢莉にもたれて、身体を預けた…



『なんか、しんどい…』



すると、夢莉はおでこを触った。



「熱い…彩さん?!」



私はその後、一気に意識が飛んだのか…真っ暗になった。









ーーー



「彩さん!!しっかり!!」




急に彩さんが私に寄り掛かって…倒れてしまった。



体もおでこも熱くて、熱があった…




「無理してたんや…」



きっと、私がかなりのストレスを与えたから…



急いでベットに連れて行って、寝かせてあげた。




「彩さん、気分はどう?大丈夫?」



『はぁっ、はぁっ…ごめん…』



「なんで謝るの?」



『やって、迷惑かけ…た…』



「そんなことない。きっと、疲れが出たんや…大丈夫ゆっくり休んだらええから。」



『ありがとう…夢莉…』

熱はかなり高くてしんどそうだった。


お詫びにしっかり看病するから早く元気になって…


彩さん。


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