長編 禁じられた二人

□episode 7 〜急変〜
2ページ/2ページ



果てたあと、私はいつのまにか眠ってしまったらしい
洋服は着てなかったけど、夢莉が後処理をして風邪をひかぬように毛布で包んでくれとった

無理矢理襲ったくせに、やってることはイケメンかよ!
なんて思いながら夢莉を起こさぬようベッドから抜け出してシャワーを浴びに行った

シャワーを浴び終えて寝室に戻ると夢莉は起きとった

『ごめん、起こしちゃった?』

夢莉「どこ行ってたん?」

『え?』

夢莉「どこ行ってたか聴いてるんやけど」

『えっと…シャワー浴びてきた』

夢莉「…そんなに消したいんだ」

夢莉は俯いてボソッと呟いた

『え?なんて?』

夢莉「そんなに私の痕跡消したい?」

『ゆーり、何言うて…』

夢莉「はぁー…もういいや…。シャワー浴びたんならサッサと帰って」

『え?やから違うんやって!』

夢莉「はよ、あの電話の女のとこに帰ったら?」

『ゆう…り?』

夢莉は私の話を聞こうとせずに背中を向けると携帯で誰かに電話を始めた

夢莉「あ、もしもし梓?…うん、ごめん。あのさ、今から来れる?…あ、ほんまに?やったら待っとくな!早く可愛い私しか知らない梓見たいな」

え?どうゆうこと?

会話からして…夢莉、浮気しとるん?

それとも私が浮気相手なん?

電話を終えた夢莉がこちらに振り向いた

夢莉「なんだ、まだいたの?」

『今のって…』

夢莉「うるさいなぁ…彩さんには関係ないでしょ!彼女来るから早く帰ってくんないかな?」

そう言う夢莉の目に光は差していなかった

“彼女”という言葉が私の中でこだました

なんで?さっきはあんなに、激しく襲って
きたくせに…

夢莉に誰を愛してると聞かれて私は夢莉と答えた

納得のいく答えちゃうかったん?

なんで?なんでよ!

私は泣きながら携帯だけ持って夢莉の部屋を飛び出た

他の荷物置いていけば夢莉は追いかけてきてくれる…きっと…

そんな甘い考えをしとった

でも夢莉は追いかけて来てくれんかった

『あ、財布…はぁ…』

しかたない、歩いて帰るか

「さやかちゃん?」

誰かに名前を呼ばれて振り返ると

『み…ゆき?』

そこには美優紀がおった


to be continued…


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ