長編 禁じられた二人

□episode 6〜真実〜
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私は美優紀の言葉を聞いて、血の気が引くのが分かった。


これが血の気が引くって、ことなんやって…少し冷静な自分がいるのも驚いた。


(なぁ、どこにおるん?)



問いただす、美優紀に現実に引き戻される…




『えっと…ごめん、友達の家やで?はんに誤解させると思ってん。
なのに、余計にそうさせてしもうたな?ごめんなさい。』



(ほんまに?誰の家?名前は?)



『美優紀の知らん子やで…他にも2、3人おるし大丈夫や。』



すらすらと出てくる嘘に、驚く。
自分ってこんなにも悪女やったんや…



(ふ〜ん。)



ちょっと信じ始めたかな?って、私は油断し始めた。




『じゃあさ、嘘ついたお詫びに飲んだデートしよ?』



(え、ほんと?!)



『うん!!どこ行きたい?』


美優紀の嬉しそうな声に、やっぱり可愛いなって思ってしまう。


夢莉か美優紀やなんて、選べばれへんな…と思ってるとお風呂の音がして夢莉が出てきたことがわかった。




(え〜とな!遊園地がええかな!でも、彩ちゃん人気者やから独り占め出来ひんねんな。)



『あははっ、嫉妬?可愛い。』


(もぉ〜!真剣に考えて〜。)




夢莉が出てきてることを知っていながら、私は美優紀との電話をそのまま楽しんでしまってた…




様子の変化にも気付かずに。











ーーー


彩さんはまた例の女の子と話してるみたい、どうやら二股でもされてるんやないかって思い始めている。



いままでの私やったら、すぐに別れるんやけど…



彩さんのことはそう簡単に手離したくない。




もっともっと彩さんを知って、私の物にしたい…今までは無かった束縛が私を襲う。











「彩さん、また誰と話してるの?」












私の声が予想以上に大きかったのか、彩さんはビクッとした。





『あ、ちょっと待ってて…』


ほら、そうやってまた私を後回しにする。

今日こそは許さへんのやから…



私は本気やねんで?
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