長編 禁じられた二人
□episode 4〜延長戦〜
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せっかく今日は彩さんとのデートで、さらに可愛い一面見れて独り占めできたと思ってたのに…
キスをする直前に誰かから電話が来た。
思わず、ベランダに飛び出たけど…
なんであんなに嬉しそうなんやろ。
私の前ではなかなか見れへん顔やなぁ…
最初はそこまで本気やなかったし一緒にいる時間はまだ少ない方、でもだんだん増える中で…彩さんが誰かに取られるかもっていう嫉妬が湧いてきてる気がする。
今だって、本当は私との時間やのにな…
ちょっと様子を伺いに、ベランダのドアを開けて彩さんの声に耳をすませてみる。
『ふふっ、まぁそうやけどさ〜。』
ほんまに、誰と話してるんやろ?
あんな嬉しそうな顔で…
せっかくのデートなのに、誰か分からへん人に台無しにされるのが嫌で私は中に戻ることにした。
今日は彩さんが嫉妬してくれたけど、私やって嫉妬するんやって教えたい。
もっと知りたい、彩さんを…
愛してるから。
ーーー
ガラガラ…
夢莉と良い雰囲気で、キスをする瞬間にタイミング悪く美優紀からの電話。
気を遣ってか、気まずさからか夢莉はベランダに出たけど…また入ってきた。
美優紀は仕事でちょっと失敗したらしくて、落ち込んでるみたいやったから余計に電話を切れなくて…今やっと持ち直して少し笑い声も聞こえた。
『うん、やから…気にすることないねんで?』
(ありがとう…!!彩ちゃん。やっぱり私には彩ちゃんだけやな〜!)
『ふふっ、大袈裟やな?』
そんなこんな楽しく話してると、だんだんと夢莉がこちらへ近づいてきてることに気がついた。
そして、隣に座ってきた。
「彩さん…」
寂しくなったんかな?
ピッタリとくっついて来た…
話の内容が聞こえたらあかんから、可愛いけどあんまり近づいて欲しくなくて私はちょっと離れる。
でも、余計に詰め寄せてくる夢莉…
『ちょっと待ってな?…』
私はこっそりと小さい声で夢莉に言ったけど、また光のない目をしてる。
すると…急に。
『うん、そうやな〜?……』
どさっ!!
『ん、ぅ…ちょっ…と!!』
いきなり夢莉が何も言わずに私を押し倒した…
そして、、、
『んぅ〜っ!!』
(彩ちゃん…?どうしたん?)
『んぅ……』
私がいくら抵抗しようと、夢莉の事を押しても押しても…深く強いキスで抑えられた。