長編 禁じられた二人

□〜プロローグ〜2人の出会い。
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私たちの出逢いは本当に偶然やった…



もし、あの日帰り道が違ったら…


もし、時間がずれてたら… 


もし、仕事が休みやったら…





あなたに出逢うことはなかったのかな。












『ちょっとやめて!!』




(ええやん、ねぇちゃん暇やろ?)



『痛いっ!』




その道は人通りが少なくて、私も近道に使ってるだけで…夜遅くはあまり通らないけど今日は通りたかった。




仕事であまり上手く行かなくて、落ち込んでるのもあってか…誰にも会いたくなかったから。


でも、今日は本当に運が悪かった…
すれ違った柄の悪い人に絡まれてしまった。





『離してっていってるやろ!』


(うっさいな!黙ってついて来いや!!)




相手の力は本当に強くて、もう引っ張られて連れて行かれそうになってた…



『痛いって…』



手首がもう痛くて…

引きちぎられそうなほどの強い力で、泣きそうになってた。




すると、、、





「なにしてんねん。」



(は?誰やてめぇ…ゔぉっ、あ…)



ドサッ…




「嫌がってるやろ。」



私の前に現れたのは、背が高くて…
見るからに若い青年。




細身やのに、強くて相手を離してくれた。





「これ以上、彼女に近づいたら…許さないから。」



(なんやねん、てめぇ…くそっ。)




彼がひと睨みすると、その人たちは逃げて行った。




「大丈夫ですか…」



『ありがとう…ござい、ます…』



「手、痛みますか?」

『大丈夫です。』



その青年は、私のことをすごく気遣ってくれた。
でも、私は昔から男の人が苦手で…

この青年すら怖い。

さっきのが怖すぎすたのもあって、手の痛みもやし…震えが止まらなかったけど。





「大丈夫やないですね、私の家に来ますか?」



えっ、今…私って言った?



もしかして。




『わ、私って…』



「え?私の家ですよ?一人暮らしやから大丈夫ですよ。」



もしかして、この人は男の子やなくて…女?


私はそこに反応してしまった。


『女の子?』



「え…はい、一応女です。」



『そうやったんや…』



フラッ…




それを聞いた瞬間に腰が抜けた。



ガシッ…



「だ、大丈夫ですか?」


『ごめん、すごく怖かってん…』



今日、初めて会った人の前で私は泣き出してしまった。




ぎゅっ、、、




「もう大丈夫ですよ…」



でも、見捨てずにその子はそのままこんな私を抱きしめたくれた。



だから私は甘えて、余計に泣いてしまった…



その夜が私と夢莉の出逢いであり、私たちの恋の始まりだった。
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