中二病作文

□可愛い
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最近、昔は当たり前と思っていた概念に疑問を持ちすぎて身動きがとれなくなることがふえてきている。
特に今は可愛いというものがわからない。外に出ることができるか否かを決めるほどにわけがわからなくなってきている一番わからない概念、可愛い。

このわからないは、様々な感情を可愛いにおさめて表現してしまうことを繰り返した結果だと思ってる。
同級生の表情の変化が豊かでみていてとても幸せな気持ちになったときとか。そういうときそのままを伝えると気味が悪いと思われてしまうから、可愛いねで終わらせてしまう。
仕草や表情の変化や洋服、努力や成果や失敗。それらすべてに対して一個一個持っていたはずの感情を全部可愛いと口に出すことで終わらせてしまった結果、可愛いがわからなくなってしまった。呪文を唱え続けたら文字通り呪われてしまったというような感じだ。

範囲も広いし恐らく私の中の可愛いのハードルは低いのだろうと思う。
だからこそ町中が可愛いし、そこに自分は釣り合わない気がして外に出たくなくなってしまう。可愛いと思う子の写真を見ながら夜な夜な泣くだけで済むならまだしも外出が難しいとなるとこれは何とかしないといけない。

可愛いとはいったい何なのだろうか。どうすればなれるのか。わからないしきっと私はなれない。顔の構造やセンスや手先の不器用加減に性格とこうも見事に可愛げのないのが揃ってしまってはどこから手をつけたものかという感じで。飽きっぽく努力が出来ない私は改善などできないまま、きっとだらだらと人生を無駄に過ごしていくのだと思う。

可愛いは可愛いし元気をもらえる半面自分のことについて考えてどうしようもなく悲しい気分になる。ちょっと頑張ってみようとすると現実がみえて不細工な自分に向き合うしかなくなり、何も手につかないほどブルーな気分になってしまう。
ブルーな気分になるのが学校に行く直前だと最悪だ。欠席日数と嫌いな自分の顔とぶつけようのない空しい気持ちが頭のなかでぐちゃぐちゃになって動けなくなる。
頑張って学校に行っても可愛くない自分がこの空間に存在していていいのか不安で怖くて一人でいる時間をできるだけふやそうとしてしまう。鏡をみている時間をふやしてしまう。そして一人でいたり鏡をみていたりすると不細工だという自覚が深まって更に悲しい気分が加速していく。
家に帰ってゆっくり眠ってそれらのことを忘れてリセットできていたころはまだ良かった。当時はしんどいだとかなんだとか思ってたけど今よりはずっとましだ。
今はそれがリセットされない。ずっと辛いし生きているのを辞めたほうがいいと考えることも以前より増えた。

悲しい気分を何とかしてくれるものが一応あるにはある。それが女児向けゲームだ。
私は最近自機キャラに救いを求めてしまってる。
私が着たくても不釣り合いだから着れないと思ってる服を着た自機キャラが歌って踊るのをみて可愛いと思うし、愛しいと思うし、なりたいと思う。でもなれない。でもでもゲームで願いは叶ったから!と無理やり言い聞かせて納得することができるようになった。
これがいいのか悪いのかはわからないけど、しばらくはこうしてガス抜きをするようにしていけばいいのだろう。
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