短め

□11.たまにはいいかも~一般~
2ページ/3ページ



それからは彩が休みの日に来る渡辺さんや須田さんが来たりして少し話すようになった。


彩「おはよー!」


『朝から元気だね、おはよう。彩さん』


元気良く挨拶して入ってきて体温計を渡す彩に笑いながら挨拶を返した。


「あ!そうそう名前さん、今週の木曜か金曜日に退院らしいで?」


『え?って事は……』


いきなり退院日を言われた名前は頭じゃ分からず、カレンダーを見てみると後3、4日後だった。


彩「後少しやな。まぁ、退院してもリハビリせなあかんで?」


『だねぇ〜…もう仕事復帰かぁー…まだ居たかったなぁ』


入院中、確認や質問のメール、修正等、PCと資料を広げて仕事をする事はあったものの、長期休暇していたら流石に行く気が微塵も無くなるだろう。


彩「私今、仕事中なんやけど?(笑)」


『あ…仕事中の人の前で仕事したくないは失言だね、ごめん』


彩「ええで……まぁ、私もまだ名前さんに入院しててほしかったんやけどな」


『え?』


彩「せっかく仲良くなれたのに退院したら東京と大阪やから遊ぼうて思うても簡単に会えへんし」


『あ、それなら一人称が大阪に出張で来たら観光地案内して。逆に彩さんが東京来たら一人称が案内するから』


彩「……」


『彩さん??』


彩「あ…あぁ、せやな。じゃあ、また後で来るわ」


彩の心境に気付いていない名前は首を傾げてキョトンとした顔で彩の出て行った扉を見ていた。


コンコン


「こんにちは名前ちゃん、お邪魔するね」


『あ、渡辺さん、こんにちは』


先程彩が出ていったばかりなのに、またも看護師さん。皆暇なのだろうか?と思いつつ挨拶を返した。


「ねぇねぇ、さっき彩ちゃんから聞いた?」


『退院の話しですか?』


「うん。退院しちゃったら、うちも彩ちゃんも寂しくなるで」


『あぁ、だからさっき彩さんにお互いの所に遊び行ったら観光地案内し合おうって言いましたよ』


「え〜!うちも行きたーい…やないわ。もういっその事、此方に転勤したらええやん」


『いや、それは上が決める事なんで…あはは;;』


「まぁ、転勤になったら教えてや。ええ物件知っとるから」ニヤ


『あ、は、はぁ。分かりました』


「ほな、仕事戻るからまたなぁ」


『……』


本日二度目、首を傾げてキョトンと扉を見ていた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ