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□ツン希望 (ウネ)
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「でさ、その子がカンイニヒョンと仲良さそうな話したら急にトゥギヒョン静かになっちゃって…」

ヒョクは笑いながらリョウクに話続ける。

おれはヒョクの腕を掴んだ。

「なに?」

アイツは話を中断させられてちょっと不機嫌そうにおれを見た。

「…べ、別に」
「うっとおしいから触んな」

手を振り払われた。

いつものヒョクだ!

ひどい扱いされてんのにおれの頭の中では天使が舞ってた。

よかったぁ、いつものヒョクに戻ってる…

「最後に彼女がいとこだって言って、奥からカンイニヒョンが出て来た時のトゥギヒョンの焦った顔!お前にも見せてやりたかったよ〜!」

二人が笑う姿をおれは複雑な気持ちで眺めていた。

…元に戻って嬉しいけど、昨日のアレ、なんだったんだろ

原因がわからないだけにモヤモヤしたものが残る。

「あ、そうだ」

突然リョウクが怖い顔しておれを睨んだ。

「ドンヘヒョン昨日遅かったでしょ。ご飯要らないときはちゃんと言っといてよね。ヒョンの分も作ってたんだから」
「あ、うん、ごめん」

おれは素直に謝る。

「グラビアだったの?」
「ううん。オムニバスの映画の打ち合わせだった。ドラマかと思ったのに…」

ヒョクがなんか横でピクッとした気がした。

「へぇ、そうなんだ…あ、ドラマと言えば、昨日ヒョクチェヒョン泣いてたの知ってる?」

「バッ、バカ!リョウギ!」

ヒョクが慌てて立ち上がり、リョウクの口を押さえようとした。おれは素早くその手を捕まえて阻止する。

「なに?ヒョク泣いてたの?なんで?」
「リョウギ!おい、黙れって!」
「なんかね、夕方ドンヘヒョンのあのドラマの再放送してたの見たんだって。ほら、ヒョンが血塗れで死んじゃう…」

「イッテーッ!」

思いっきり足を踏まれておれはヒョクの手を離した。
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