BOOK
□ずっと (ウネ+その他CP)
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ああ、腹減った
リョウク何か作ってくれてないかな
おれはキッチンに向かう。
「ヒョン、はい巨峰」
「あーん」
「ヒョン、ボクの指まで食べちゃダメだよぉ」
「ぶどうよりリョウガの指の方が百倍美味しい。もいっかい、あーん」
「ヒョンたらぁ…」
そこにはイチャイチャするバカップルが居た。
リョウクがおれに気づき、慌ててイェソンヒョンの口から指を引き抜いた。
「あっ、ド、ドンへヒョン。ヒョクチェヒョンと出掛けたんじゃないの?居ないと思ってボク昼ご飯作ってないよ」
おれはあからさまにガッカリした顔をした。
リョウクは慌てて立ち上がる。
「何か作るよ。何がいい?」
「え、いいの?じゃあ…」
言いかけたおれは痛いくらいの視線を感じて目線を下げた。イェソンヒョンが野犬のような目でおれを睨んでいる。
全身から放たれるオーラが明らかに『邪魔するな』と告げていた。
「あ…や、やっぱりいいや。ヒョクと食べに出るかもしんないし。ありがと、リョウギ」
おれはすごすごとキッチンを後にする。
確かにさっきのリョウクは珍しくデレ期だったみたいだから、イェソンヒョンとしてはチャンスを逃したくないんだろうな
いつもは冷たくあしらわれて、可哀想なくらいだもんね
頑張れ、ヒョン
素直に引き下がったけど、相変わらず腹は減っているわけで、どうしようかと悩みながらおれは自分の部屋に向かう。
ドアを開けるとベッドの上でトゥギヒョンとカンインヒョンがくっついてて、おれを見て慌てて離れた。
「ド、ドンヘ…!お前まだ居たの。オフだから出掛けたと思ってたよ」
ここにもおれの居場所は無さそう
「ヒョン、邪魔してゴメン。出掛けるからごゆっくり」
「別に邪魔なんかじゃ…」