BOOK

□ずっと (ウネ+その他CP)
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ヒョクはずっとマンガ読んでる。
朝からずーっと。
おれがあげたビーズソファにズッポリ埋まって。

なんか全巻揃ったのをペンに貰ったんだって。全72巻。
ヒョクは喜んでたけど、おれはこっそり捨ててやろうかなって思った。

だって、全然おれの相手してくんないんだもん。
昼飯誘っても行かないって言うし、退屈で死にそう。
文句言ったらひとりで出掛ければいいじゃんだって。

おれひとりで?
せっかくの二人揃ってのオフなのに?

ムカついてドアをバンって閉めておれはヒョクの部屋を出た。

どうしよう

別に行くあてもないから、とりあえずテレビでもみようかとリビングを覗いてみる。
そこにはミニヒョンがひとりスマホを片手に座っていた。

おれ、ミニヒョン苦手なんだよな
嫌いとかそういうんじゃなくて、何話していいかわかんないんだ

ミニヒョンもヒョクが居る時はニコニコ話しかけて来るけど、おれひとりだと寄っても来ない。

でも、もしかしたら今が仲良くなるチャンスなのかも

勇気を出してリビングに入ろうとした時、玄関で「ただいま〜」とキュヒョンの声がした。
ソファに座っていたミニヒョンがリビングから飛び出して来て、おれは咄嗟に扉の陰に隠れる。

「キュヒョナ、お帰り!スパークリング買って来てくれた?」
「もちろん。とびきり美味いムタール買って来ましたよ。白カビチーズがあるって聞いたんで」
「さすがキュヒョナ!ありがと。PDがブリー・ド・モーなんかくれるんだもん。飲みたくなっちゃうよ。まだ昼間だけどいいよね?」

満面の笑みを浮かべたミニヒョンが、キュヒョナと共に部屋に消えて行くのを見送りながら、おれは溜息をついた。

昼間っからワイン飲むなんて、おれには到底出来ない芸当だよ
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