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□S〇X POSITION (ウネ+ギュイェ)
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「なんでだよぉ、絶対こっちだろ!」
「いやいや、何事も基本が一番に決まってるじゃないですか!」
言い争うような声に、風呂から上がって廊下を歩いていたヒョクチェは慌ててリビングのドアを開けた。
「どしたんだよ。何揉めてんだ?」
ソファに座ったドンヘとキュヒョンが同時に彼の方を見る。
「ヒョク!よかった、呼びに行こうと思ってたんだよ」
嬉しそうなドンヘとは対照的に、マンネは面倒臭そうに息を吐いた。
「別に何も揉めてませんよ。議論を交わしてただけです。ちょっとヒートアップしちゃったけど」
「議論?」
ヒョクチェはテーブルの上に置かれたドンヘの飲みさしのコーラを手に取り、口をつける。
「何について?」
「好きな体位についてだよ」
ブハッとヒョクチェはコーラを吹き出しゲホゲホとむせた。
「わっ!汚いなあ、ヒョクチェヒョン」
「大丈夫?」
ドンヘは立ち上がって心配そうに恋人の背中をさすった。ひとしきり咳き込んだ後、ヒョクチェは喚いた。
「バ、バカかお前ら!こんなトコでなんの話してんだよ。誰かに聞かれたら…」
「みんな実家帰ってたり仕事で出払ってて居ないんだよ。イェソンヒョンは…」
ドンヘの言葉をキュヒョンが引き継ぐ。
「部屋で寝てます。朝からマビ手伝いに行ってお疲れなんで」
普段憎まれ口ばかり叩いてるマンネだが、恋人の話をする時にはとても優しい表情になる。