BOOK1
□flower
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チェヨンside
スタッフ「TWICEさんには時間になったら移動していただいて…」
今日は何時間も行われる大型音楽番組の撮影日。私たちの一回目の出番は終わり、これから二時間くらい自由になるので、この後の説明を受けていた。
ジョ「っ…」
隣のジョンヨンおんにが軽く咳払いをしていた。スタッフさんの話を聞きながら、どうやって過ごそうか考えていると
スタッフ「じゃあまた後程お願いします」
と言ってスタッフさんは楽屋を出ていかれた。
少しすると、ジョンヨンおんにが咳をし始めた。
サナ「ジョンヨン、どしたん?大丈夫?」
ジョ「あ、大丈夫。…ちょっとトイレ行ってくるね」
おんにはそう言って立ちあがった。でも、すぐにその場にしゃがみこんでしまう。
ミナ「体調悪いの?」
ジョ「ううん、だいじょ、ぶ…ごほっ、ぅうっ…げほっ」
おんにの咳が止まらなくなって、何か手伝おうと思っておんにの顔を見た私は、言葉を失った。他の皆も。
おんにの口からは、形も色も、大きさも違う様々な花が、ぽろぽろと零れ落ちていた。
ダヒョン「おっ、おんに……!?大丈夫、ですか?」
ダヒョンおんにが花を片付けようとすると、ジョンヨンおんにが止めた。
ジョ「だめっ…!っこほ、伝染っ、げほっ、る、からっ」
おんにの口から零れる花は一向に減らない。気づくと、おんにの膝の上は花で埋め尽くされていた。
しばらくしておんにの咳が止まると、ジヒョおんにがジョンヨンおんにを問いただした。
ジヒョ「ちょっとジョンヨン、今のどういうこと…!?大丈夫なの…!?」
ジヒョおんにの声は動揺で震えている。
ジョ「隠しててごめん、後でちゃんと説明するから」
私は何も言えずにその場に立ち尽くしていた。