BOOK1
□片想い
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私はサナおんにのことが好き。
鈴が鳴るような高くて可愛い声も、スタイルは良いのに華奢な身体も、リスみたいな愛嬌のある顔立ちもお茶目な性格も。
好きなところなんて挙げ出したらキリが無い。この気持ちをおんにに知って欲しいけど、今の関係が壊れちゃうのは嫌。
おんにと話せなくなったら、正直生きていけない。
「はぁ〜」
思わずため息が出る。
「ツウィ、どしたん?」
「わぁっ!?」
この声は…
「サナおんに!」
後ろを向くと、可愛い笑顔で立っているサナおんにがいた。
「ツウィ〜ため息なんてついてどしたん?おんにに何でも言ってみ〜?」
実は、あなたのことが好きだから困ってるんです、なんて言えるわけないから「なんでもないですよ」と誤魔化す。
「ほんまに?」
「ほんとです」
「じゃあ、サナの悩み聞いてくれる?」
サナおんにはそう言うと、私の隣に腰掛けた。急に距離が近くなってドキドキする。
「なんですか?」
平然を装って聞き返すと、突然視界がぐるっと回った。
私は、サナおんにに押し倒されていた。
「私、ツウィのこと好きなんやけど」
「どうすればいい?」
「、え…、え、うそ」
「ツウィは?私のこと好き?」
「へ、あっ、…えっと、」
頭を鈍器で殴られたくらいの大きな衝撃を受けた私は、言葉にならない声を出しながら、必死にこくこくと頷いた。
「私、ツウィのことずっと好きだったんだよ。…付き合ってくれる?」
「え、もっ、もちろん!!私もおんにのこ、とっ…!」
大好きです、って言いたかったけどあまりの恥ずかしさに言葉が詰まる。
どうにか伝わってほしいと思っておんにの顔を見ると、すごくにやにやしながらこっちを見ていた。
「私のこと、どう思ってるん?ツウィちゃん?」
したり顔なおんにすら可愛くて、「恋は盲目」の意味を理解した。
「私、ツウィがどう思ってるんか聞きたいなぁ〜」
「ぁ、わ、私もサナおんにのこと、だっ…、大好き、です…」
「よく出来ました〜!」
私の答えに満足気なおんには、
ちゅ、
と私のほっぺにキスしてきた。
「!?っ〜!お、おんに〜っ!!」
これはしばらく心臓が持ちそうにないです…。
End