赤い鬼神
□男にはカエルに触れて一人前みたいな訳のわからないルールがある
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「えー、みんなもう知ってると思うが先日宇宙海賊“春雨”の一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けコノヤローなんとやつらを壊滅させたのはたった二人の侍らしい」
「驚くどころか誰も聞いてねーな」
「やかましいのはいつものことだが誰も聞いてないという事態に驚きだよ」
「トシ」
ドガン
「えー。みんなもう知ってると思うが先日宇宙海賊“春雨”の一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けコノヤローなんとやつらを壊滅させたのはたった二人の侍らしい」
「「「え゛え゛え゛え゛え゛!!マジすか!?」」」
朝の会議中、近藤さんの話も聞かず私語している隊士達に一度黙らせるために彼はトシに指示した。隣にいるトシはバズーカを構え発射。再び近藤さんがことの成り行きを説明すると聞く気になったらしい。ちゃんと反応した。
「しらじらしいもっとナチュラルにできねーのか」
「バズーカ撃ってる時点でナチュラルじゃねェだろ」
「トシ、ユキ。もういい話が進まん。この二人のうち一人は攘夷党の桂だという情報が入っている。まァこんな芸当ができるのは奴ぐらいしかいまい。春雨の連中は大量の麻薬を江戸に持ち込み売りさばいていた。攘夷党じゃなくても連中を許せんのはわかる、だが問題はここからだ。その麻薬の密売に幕府の官僚が一枚かんでいたとの噂がある。麻薬の売買を円滑に行えるよう協力する代わりに利益の一部を海賊から受け取っていたというものだ。真偽のほどは定かじゃないが江戸に散らばる攘夷派浪士は噂を聞きつけ「奸賊打つべし」と暗殺を画策している、真選組の出番だ!!」
「…」
真選組の出番ねェ、桂と一緒にいたもう一人の侍って誰なんだろうな。近藤さんは張り切っているがどうにもやる気が起こりそうにない。