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支部内に響く、アクマ侵入のアナウンス。
皆が逃げ惑う中で、アレンとフォーを抱え、バク等もまた逃げていた。
アレンは薄い色素のまま。
「衝撃を与えないよう、注意するんだ」
今のアレンの身体は、個々の物質がゆるい状態。
おそらく些細な衝撃でも、分子レベルに崩壊する。
それを聞いて、緊張が走る。
「バク様!」
前方からバクの名前を呼ぶは、人混みを逆走し、かき分けてくるウォンの姿。
「北地区の支部員はすべてこちらに避難しました」
「そうか、例のものは?」
「準備整っております」
それを聞いて、バクは背中のフォーにたのむ、と。
フォーも分かってると答えて。
バクは足を止めると、振り返った。
「この通路を塞いで、奴のいる北地区を隔離する!」
曾じじの血を引くバク等チャン家は、この支部の守り神の力を操作できる。
『招喚!』
その途端、地面から土が盛り上がり、みるみる壁を作り上げていく。
フォーは呼ぶバクに答えると、アレンに近付いて頬に手を寄せる。
「しっかりしろよ。
お前、見た目より全然根性あるから大丈夫だよ」
目の前でアレンの姿に変化して。
「きっと発動できらぁ。
がんばんな」
後ろに跳んだ。
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