15.バイバイ『雨嫌イ ノ 独リゴト。』





本当に雨が嫌いです。病的に

昔雨の日に
辛い目に遭って
ひととき口がきけなくなった経験があるから



空気も重いので今日は呼吸が辛いです。


『息の仕方位ちゃんと覚えなさい全く』と呆れながら笑われたっけ

過呼吸で横たわる私の髪を

心配そうに撫でながら。



もう息が苦しくても
雨音が煩くても
髪を撫でてくれる手が無い


雨音に閉じ込められた
息詰まる昼下がり



別れ際に
彼がくれたCDをかける

私が愛する土地、彼が行ったことさえない土地 横濱の桜木町を
…もう一度
きみに伝えたい思いがあるのに…

手放した恋の面影を探しさ迷う歌。



…ああ雨音さえも
貴方が私を
呼び探す声になれば
いいのに…



祈りはきっと
二人を見守った風景や品々の中に

記憶となって今も漂う



…私の祈りも
貴方のまわりを吹く風となり
貴方を少しでも守れていますか



…雨音が
少し静かになりました。



カモミールティでもいれて


もう少しだけ
甘い記憶を追想し
逃避することを許して下さいね



いつか必ず

世界の総てを愛し許せたら


そこに貴方をまた
見付けられるでしょうか。

end.






【後書】

台風が近づく息遣いを感じながら

布団の中でうってるとです。…←ヒロシ風味。

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