ゆめをみて
□2章:まさかここは...
2ページ/12ページ
「君。初対面なのに、きつねとは失礼なのだ〜。」
男が眉を下げて、呆れたように言ってきた。
「あ、す、すみません…。」
(確かに、初対面で…いくらびっくりしたからって失礼だよね。)
素直に謝ると、
「いや、別にいいのだ。」
男はニッコリと笑って許してくれた。
「ところで、君はどこから来たのだ?
見慣れぬ格好をしているが…。」
男は、改めて私に聞いてきた。
「そ、それが…今日は仕事がお休みで、花を見に出掛けていたんです。
その時、赤い鳥を見たかと思ったら、
すごい風に吹かれて、顔を上げたら知らない土地にいたんです…。」
本来なら警戒すべきだが、助けてくれたことによる安心感で、男に事情を話してしまった。
(信じてもらえるかな…。)
恐る恐る男を見上げると
「異国から…?
まさか…この者が朱雀の巫女…?」
男は私をまじまじと見つめていた。