long

□23
1ページ/1ページ



お風呂で半身浴をしながら少しお高めのパックをしてのんびりと…なんて言いたいところだが実際は疲れが勝ってシャワーを浴びるだけで精一杯だった。ああ疲れた。今日は一段と疲れた。

ソファにダイブするとさっきまでゴジータさんが座っていたのかほのかに彼の匂いがしてほんの少し癒された。ゴジータさんが意地悪しなきゃきっともっと癒されてたはずなのに。


23


「そこで寝ると風邪ひくぞ」
「あー、お風呂あきましたよー、お先でしたー」
「まだ怒ってるのか?」
「怒ってませんよ」
「俺が風呂に行ってる間にそこで寝るつもりだろ」
「どうでしょう…ただものすごく眠いのは確かです」

目を閉じれば数秒で寝れそうです。と呟けば既にもう半分意識がないように見えると呆れられた。

眠いんですよ、誰かさんのせいで。

「運んでやろうか」
「どこに?」
「ベッド」
「エッチなことしようと企んでるんでしょ」
「なんだ、バレたか」
「!?」

突然宙に浮いた身体がゴジータさんに密着して、今にも途切れてしまいそうだった意識が一瞬で戻ってきた。びっくりするからせめて一言お願いします心臓に悪いです。

運ばれた先はいつも二人並んで寝ているベッドで、勢いよく放り投げられるのかと思いきや意外にもゆっくりと降ろされた身体が重みでベッドに沈んで行く。

「このまま好き放題してもいいんだが、疲れてる人間を襲うのもな」
「お、おそうって…」
「最近は物騒だから気を付けないとな?」
「そ、そうですねぇ……」

いま目の前にいるゴジータさんが一番物騒な気もするが、まぁゴジータさんが相手なら襲われてもいいか、なんて思い始めている私は結構やばい。

今日一日むかむかしていたはずなんだけど。嫉妬してイラついてゴジータさんなんてもう知らないって思ってたはずなんだけど…。


「散々勝手して言うのもなんだが…なまえが不安になるようなことはしないつもりでいる」
「すでに不安にさせられましたけど」
「なら、俺の気持ちも分かってくれるよな?」

一応。分からなくはないですけどね。



20191001



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ