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「落ち着いたか?」
「はい…」

服の袖で涙を拭ったあとゴジータさんの腕の中からゆっくりと抜け出した。
どういった感情からなのか自分でも説明し難いが目を合わせることはできない。

「好きだ、なまえ」
「す、すすっ!?」
「なぁ、ちゃんと付き合おう」
「ちょ、ちょっと待っ……」
「ゴテンクスにはやらない」
「で、でも……」

美人な彼女が居るじゃん。
……って言ったら意地悪な女かな。


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※ここから先R18


「んっ、ゴジータさ、ん…!」
「制止ならきかないぞ」
「待っ…あっ、おく、だめ、ッ」
「この前はイイって言ってたのに?」
「ふぁっ…、そんなの、覚えてな…!」
「してる最中にベジットだと勘違いしたのは?」
「えぇ…、知らな…」
「もう間違えるなよ?」

記憶がなくなるぐらいお酒を飲んだからというのはただの言い訳かもしれない。
記憶に残っているのはカクテルを出してくれたベジットさんのことで、彼をイケメンだと感じていたのも事実で。
それなのに、起きた時に一緒に居たのはゴジータさんで、まったく記憶の中に存在していなかったはずのゴジータさんに全てを持って行かれてしまった。

「あっ、あ、ゴジータさん…!好き、です」
「ああ、俺も好きだ」
「ちゃんと、私だけ…っ」
「当たり前だ」

お互いに苦しいくらいに抱き合いながら身体を密着させた。
汗が滲んでしっとりして来るのが恥ずかしかったけど、それ以上に近くで彼を感じたくて必死で背中にしがみついた。

一回目の記憶は私には残っていない。どんなふうに愛して貰ったのかも、どんな言葉を交わしながら最後を迎えたのかも。
だけど、なんだかゴジータさんにすっごく大切に抱いて貰えた気がして嬉しかった。

「んっ…あ、あっ、そこ…もう、」
「一緒にいこう」
「う、んっ…、ぁっ、あ、」
「…、少し腕の力抜こうか」
「…?やだっ、このまま…っ」
「なまえ…、つけてないから外に、」
「だめ…、だめ、ゴジータさんとならどうなっても、」
「はぁ…、後悔してもしらないぞ」
「しない、から、このまま一緒に…、ッ」
「っ、…」

ぶる、とゴジータさんの身体が震えてお腹の奥がじわぁと熱くなった。かく言う私もおかしくなっちゃいそうなくらい気持ちがよくてふわふわしている。

「………」
「…えっと…」
「………」

何も言葉を発しないゴジータさんと見つめ合いながらしばらくの間さっきの行為の余韻に浸っていた。



20190909



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