本編
□1話
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腕を組み、どうしたら良いのか頭を抱えていると、
「あ!!もう指宿さん達、練習終わろうとしてるじゃん!!」
「時間が時間だしな」
どうやら野球部の後輩らしき二人が近づいてきたようだ
指宿「桐原に日下…!練習来てくれたんだ!」パァ
桐原「もちろん!大会が近いっすから!絶対勝ちましょうね!!」グッ
桐原岳(きりはらがく)、普段は元気の良いキャラで目立ちたがり屋だが、
野球では丁寧なプレーが持ち味で、汚れ役が出来る内野手だ
日下「まあやるからにはちゃんとしたいので」
この落ち着いた雰囲気を出しているのは、日下志朗(くさかしろう)
とても頭が良く、巧みな配球術を行うキャッチャーだ
二人とも一年生ながらスタメンで出場している、今後が楽しみな選手達だ
指宿「良かった…二人だけでも練習に来てくれて…」ホッ
桐原「当然っすよ!!寧ろ来てない他の人達が…」ムスッ
戸塚「まあ文句は言うな、出来る人だけで頑張れば良いだけだ」
日下「戸塚さんの言う通りだ。ほら、誰かさんの勉強不足せいで練習に遅れたんだ、早くやろうぜ」スタスタ
桐原「そ、それは言うなって言っただろ!」タッタッタ
指宿「来てくれて良かった…よし、俺達ももう少し練習して帰ろう!」
戸塚「ああ、そうだな」
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そしてその後、4人で居残り練習を続け、
指宿と日下はブルペンで投球練習をしていた
バシッ!
指宿「(うーん…やっぱり球がばらけるな…)」
日下「指宿さん、少し力んでますよ。落ち着いて投げましょう」シュッ
指宿「う、うん…」パシッ
日下「(球速は大体130キロ、変化球は二つ、コントロールはまずまずか…)」
良い投手とは言えないかもしれないが、悪い投手とも思わない
日下「(個人の意見だが、ピッチャーする奴は大体それなりのセンスが……まあそういうのでこの学校を選んだわけじゃない)」
無い物ねだりはしない、その環境で勝つ手段を探す
それよりも…
日下「(強豪校に入って『言いなり』の野球より自分の好きなように野球がしたい、野球は伸び伸びと楽しくするもんだ……と思ってこの学校に入ったが…)」