本編
□プロローグ
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今から数年前、とある公立中学校が野球で創立以来、初めて全国大会に出場した
その中学校がある地区は昔から野球が盛んな地域で、
全国大会に出場するのはこれまで私立中学校が圧倒的に多かった
そんな強豪校を抑え、圧倒的な強さで優勝をし、周囲を驚かせたようだ
しかも優勝したメンバーの多くが当時まだ二年生で、
その中でも三人、周囲と比べ飛び抜けた選手がいた
一人は今後野球界に二度と現れないであろう逸材、
バッティング、守備において全てが完璧、周囲は彼のことを『天才』と称えた
もう一人は三人の中ではまだまだ粗削りだが、その分二人には無い未知なる可能性が秘められている『未完の大器』だ
そしてもう一人は相手を持ち前の力で捻じ伏せてきた『豪腕』、
この三人は互い同士競い合う、ライバルであり友であった
…しかし、『ある事件』によって三人の関係は崩れた
その事件によって一人は友を信じきれず、突き放し、
一人は怪我によってすべてを失った
そして最後の一人はそんな二人の下から立ち去り、一人別の道を歩み始めたのであった…