short

□Our sequel
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目が醒めると、私の前には綺麗に畳まれた服と一枚のレコードが置いてあった。

殺風景だった部屋はなお殺風景だ。
雨は上がっていて、彼の姿はどこにもない。
スマホを開くと、身に覚えのない友人とのメッセージが目に入った。

[もう帰ったから大丈夫。なにもなかったよ]

私は全てを悟った。
彼はもうこの街にいなくて、私が警戒していたのも知っていて、まるで手品のように睡眠薬をコーヒーにいれたのだ。

まるで雲のように掴み所がなく、彼との時間は全て夢のようだった。

もしかしたら本当に夢かもしれない。

部屋を見渡すと、たったひとつ異変に気がついた。

荷物は全て無くなっていたのに、なぜかレコードプレイヤーだけはそこに置かれている。

私は一緒に置かれていたレコードに手を伸ばした。

田舎の風景と、電車を写した印象的なジャケット。

たどたどしかったけれど、そのレコードをかけた。

美しい女性の声が聞こえ、落ち着いたギターの音が私を包む。


I'v got my ticket for the long way round.
Two bottles whiskey for the way.
And I sure would like some sweet company.
And I’m leaving tomorrow, what do you say?

___片道チケットを取ったんだ。
二本のウィスキーボトルと旅する。
旅仲間がいればいいんだけれど。
私は明日ここを出るけど、君はどうする?

When I’m gone When I’m gone.
You’re gonna miss me when I’m gone.

___私が行けば、あなたはきっと寂しくなる。

You're gonna miss me by my hair
You're gonna miss me everywhere, oh
You're gonna miss me when I'm gone

___どこにいても、私の髪が懐かしくなるわ。
もし私が行ってしまえば。



レコードが止まったあと、私は部屋を出た。
すっかり晴れた空を見つめて、家路を辿る。

そして、あれは夢じゃなかったと確信する。



きっとまたいつか、会えると信じて。







「次元…」
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