短編

□聞こえてる
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飛鳥side

「白石先生背高すぎ!笑」
白「いや、高すぎって言われてもね〜笑」

美人で優しくて面白くてスタイル抜群で
男女問わず人気者の先生

廊下を歩くだけで
白石先生の周りには人が集まる

私はそれを見てるだけ

話しかけようと思っても
誰かがそばにいるから無理だし
そんな勇気は持ってない

飛「……」

白「ほら、もう授業始まるから教室入りな?」
「えー、次は?いつきますか??」
白「えっと、2組は3時間目かな」

飛「おはようございます(ぼそっ)」

楽しそうに話してるそばを
私は挨拶をしながら通る

独り言のような挨拶は誰にも聞こえてないだろう

「じゃあ、2時間目早く来てくださいね!」
白「…おはよー!」
「いや、誰もいないですよ笑」

…っ///
はぁ。
そういう所がずるいんだ



白石side

毎朝一人の女の子が遠くから私を見てる

いつも1人で、誰とも話さず、ただ遠くから
羨ましそうに……

「白石先生背高すぎ!笑」
白「いや、高すぎって言われてもね〜笑」

これくらい普通でしょ?
なんて言えるわけもなく……笑

笑顔でやり過ごす

私はあのこの笑顔が見たい

「おはようございます(ぼそっ)」

…え?
聞こえた。確かに。
あの子が言ったよね?
ものすごく小さな声だったけど
ほかのこの声でかき消されそうになったけど

白「…おはよー!」
「いや、誰もいないですよ笑」

振り向いたけどそこにはもう誰もいなかった

だけど

初めて声を聞けた

どんなに小さくても
あなたの声は私に届いてるよ
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