短編

□誰にでもなわけじゃない
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1年に1回の体育祭
うちの学校は絶対に1つは競技に参加しなくちゃいけなくて
まぁ、いけるかなって仕方なく参加したのがムカデ競走
4人1組だし、ほかの3人の子もそんなに本気の子じゃないから

この考えが甘かった

ろくに準備運動もせずに走り出したとき
勢い余って足をくじいてしまった

なんとかゴールまでは行けたけど
痛すぎて歩けそうにないな

白「飛鳥」
飛「え、しーさん?
なんでここにいるの?笑」
白「なんででしょ?
それより足、大丈夫?」
飛「え、気づいてたの」
白「そりゃ、気づくよ笑
ほら、保健室行くから動かないでね」

肩のところと膝の下に腕を回され気づけばしーさんにお姫様抱っこをされていた

飛「ちょ!しーさん!おろして!」
白「だーめ!
飛鳥足痛いんでしょ?
こーゆー時くらい甘えなさい」
飛「でも恥ずかしいって」
白「そんなの気にしないの!
だから、暴れない」


うぅ
めちゃくちゃ恥ずかしい…
しーさんは普段から何もしてなくても存在感があって目立つのに
こんなグラウンドの真ん中でお姫様抱っこなんてされたら、もう、、




白「失礼しまーす
みさみさ〜?いる〜?」
飛「今日体育祭だし外じゃないの?」
白「あ、そっか笑」

じゃあ、ここに座って待ってて
椅子に座らされて湿布やら包帯やら氷嚢やらを持ってくるしーさんを眺める

白「よし、ちょっと触るね?
どう?痛い?」
飛「っ!!」
白「あ、ごめん。とりあえず5分冷やして
終わったら湿布貼ろっか」

ソフト部だからか
なんか慣れてる……
他の子にもしてあげてるのかな

白「5分たったかな…
どんな感じ?」
飛「うん、さっきより痛み引いてる」
白「よかった!
んじゃ、湿布貼るね」


飛「他の子にもしてあげてるの?」
白「なにを?」
飛「こーゆーこと」
白「しないよ」
飛「え、」
白「飛鳥だから
飛鳥だから、怪我したのも分かったし
我慢してるんだろうなって思った」
飛「…」
白「飛鳥は私の特別だから」

まっすぐ私だけを見て言うしーさんはかっこよかった
いつもみたいにふざけてなくて
この真剣な表情は、私が好きなしーさんのひとつ

白「好きだよ、飛鳥
誰にでもな訳じゃない
飛鳥じゃないとしないよ」
飛「、、しーさん」
白「よし!
包帯まけました〜
いまからどうしよっか!
運動場もどる?ここにいる?笑」

そんなの、決まってんじゃん

飛「ここに、といる!」
白「よく言えました笑」
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