中編
□私のヒーロー 3
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準決勝までは勝った。やっぱり2年連続優勝ってことで、先輩の得意な上段蹴りがしにくそうだった。それでも、ほかの技で点をとっていく先輩は凄い。先輩の試合の時だけ会場内のビデオやカメラが動き出す。
残すは決勝のみ。
先輩は落ち着くためか走りに行った。私はこの日の先輩を目に焼き付けるためについて行った。
先輩はいつの間にかいなくなっていて、私はうろちょろ歩いていた。
男「君誰の応援できたの〜?
良かったら俺らの相手してよ〜」
私は無視して行こうとしたら
男「はいはいはいはい
無視はダメだよ〜?
大人しくしてね〜」
西「いや!」
白「何してんの」
西「麻衣先輩」
男「お、白石麻衣じゃん」
白「その子を離して」
男「じゃあ、君が相手してくれる?
俺ら初戦で負けちゃってさ〜やり足りないんだよね」
白「知らないわよ」
そこから、麻衣先輩は確実に二人の男の人たちを倒した。決勝前にななのせいで……。
白「……七瀬。 大丈夫?😊」
西「麻衣、先輩。」
白「怪我はなさそうだね😊
よかった、間に合って。
っつ」
西「え。 先輩、足。」
白「こんなのどうってことないよ!」
西「うそや!」
私は先輩の足を見た
西「めっちゃ腫れとる」
白「あはは〜。やっちゃった笑」
西「笑い事じゃないですよ。
ななのせいで。。ぐす
ごめんなさい」
白「七瀬のせいじゃないよ
泣かないの! 私は七瀬を守ったんだよ?
ごめんなさいは聞きたくないな〜笑」
西「あ、ありがとうございます(涙)」
男「くそ。 おい白石!
お前、有段者の癖に手出したんだからな!
覚えとけよ!」
男たちは走って逃げていった。
白「七瀬、大丈夫だから。
私は七瀬を守れたんだから後悔してない!」
西「麻衣先輩…。」
白「よーし、とりあえず、テーピングしてこよーかな。 アップはその後だ!笑
あ、それと、麻衣先輩じゃなくて、名前で呼んでくれない?笑 距離感じるんだよね〜」
西「ま、まい……やん」
白「可愛いな笑 今はそれでいっか!
あ、それと七瀬、怪我のこと誰にも言わないでね?」
私は決勝戦の重みをわかっていなかった。笑顔の奥に隠れた涙を、私は感じれなかった。
この一部始終を大会会長が見ていることを私たちは知らなかった。