白西

□しがみついた青春
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何年かぶりに顔を出した母校、乃木坂女学園。
名前も知らない後輩達が夏の汗を流してる。
毎年常連だった全国大会。その予選で負けたと聞いて私はいてもたってもいられなかった。
部活を覗いてみると朝礼台に座ってる君を見て驚いた。
大人っぽいワンピースを着たあのころと変わらないマネージャー。

白「……七瀬。久しぶりだね。」
西「…まいやん。久しぶりやな。 なんしてん?」
白「乃木女が予選で負けたって聞いてさいてもたってもいられなくて来ちゃった。笑
そしたら七瀬がいたからびっくりだよ笑」
西「うちも同じやで。驚いて来てもうた笑」
白「そっか」

私はあのころの青春にしがみつくように七瀬の横に座る。あぁ、この安心感変わらないな〜。

白「懐かしいね。あの頃はがむしゃらに傷だらけになりながら頑張ったなぁ笑
あんなに一生懸命に走り抜けたのも過去の栄光だね笑」
西「ふふ笑 そうやなぁ みんな輝いとったもんな!」
白「ちょっと近くで見てくるね」

端にたって練習を見る。
懐かしいな、このユニフォーム。
私が今、どんな言葉をかければ試合に勝てるか、そんなことをぼんやり考えた

西「歯がゆいのはわかるけどな、この子達自身が考えて答え出さんと……全国優勝なんて出来へん。」
白「……そうだね。」

しがみつけよ青春に。挫折をしないとわからないこと、あと一歩で負ける悔しさ、涙を流したあとで分かることがある。その悔しさを力に変えてがむしゃらに頑張れ! 夢のために。

白「…七瀬、あの時言えなかったこと言ってもいい?」
西「なーに?まいやん」

ソフトに夢中で勝手に蓋をしていた私の気持ち、今なら言える気がする。

白「ずっと、七瀬が好きだった。
気づいたら好きだった。結果が出なくて悔しかった時も、怪我をしてみんなと練習できなかった時も七瀬がそばで支えてくれてたから今プロとして出来てるんだと思う。
今更かもしれないけど、今日七瀬と会って、全力で頑張る後輩達を見て私もやらなきゃって思った。」

私の気持ち全力でぶつけるよ。

白「今でも七瀬が好きです。私と付き合ってください!」
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