短編

□彼女になれますか?
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トイレから戻る途中、うちのクラスがざわついてるのが見えた。一緒に行ってたなぁちゃんも気付いたみたいで

西「あれ、うちのクラスだよね?
なんかあったんかな?」
飛「さぁ、なんだろーね?」

教室の前まで来た時、ざわつきの中心にいる人に気がついた

飛「え、白石先輩!?」

そう、私が一目惚れした、ひとつうえの先輩。
入学式の日に具合が悪くなった私は保健室に行こうとしたけど場所が分からなくて、迷ってるところを白石先輩が教えてくれた。それから、すれ違う時に挨拶をする程度の関係。

白「お、飛鳥! よっ!」
飛「ど、どうも」

まさか私の名前知ってるなんて

飛「どうしたんですか?
バスケ部の子に用なら、呼びましょうか?」
白「あ、大丈夫だよ笑
今日用事があるのは飛鳥にだから笑」

え、私に?何も思い当たる節が無くて首を傾げる。

白「今週の日曜日にバスケのインターハイがあるんだ
けど、応援に来てくれないかな?」
飛「え、私がですか?」
白「うん笑 飛鳥に応援に来てほしいんだ」
飛「ちょっと考えときます」
白「うん、考えといて!
これ、俺の連絡先! わかんないことあったら聞い
て?」
飛「ありがとうございます」
白「それじゃ!」

私は王子スマイルをみんなにしながら帰る先輩の後ろ姿をぼーっと見つめていた。隣でなぁちゃんが何か言ってるけど、手元にあるLINEのIDが書かれた紙を見ることで精一杯な私は返事なんかできなかった。

西「そろそろ落ち着いた?笑」
飛「うん」
西「それにしても白石先輩かっこよかったなぁ笑」
飛「かっこいいのは前からだけど
まさか、私の名前知ってるなんて…」
西「試合に来てってことは
白石先輩も気があるんやない?」
飛「どうなんだろ。 でもさ、噂の先輩とかも呼んでそ
うじゃん。チアリーダー部の」
西「衛藤美彩先輩? 2人付き合ってるって噂だしね〜」
飛「遊びだったらきついな。」
西「そんなに不安ならLINEすればええやん笑
せっかく貰ったんやし!」
飛「んー、そーだね。 帰ったら送ってみるよ」





なんて送ろう。とりあえず、挨拶から?

飛『こんばんは。齋藤飛鳥です。』

すぐに返事がきた

白『こんばんは!LINEありがとう!』

飛『あの、聞きたいことがあって…』

白『ん? なに?』

飛『私なんかを誘っていいんですか?
衛藤先輩とか、他の子に怒られません?』

白『俺、飛鳥しか誘ってないよ
それに、美彩とは何も無いから!
あいつ付き合ってるやついるからね笑』

飛『あ、そうなんですね』

白『誤解とけたかな?笑』

飛『はい、すいません。
あの、試合の時ってご飯とかどうしてますか?』

白『飛鳥とか応援に来てくれる人は昼休憩の時に買い
に行ったり、朝から買ってきたりかな! 』

飛『白石先輩はどうしてますか?』

白『あ、俺? 俺はコンビニで買ってる笑』

飛『あの、迷惑じゃなかったらなんですけど
お弁当作って行ってもいいですか?』

白『え、ほんとに!?』

飛『あ、すいません……調子乗ってますよね。。
嫌なら嫌ってはっきりいってください笑
心の準備するので』

白『嫌なわけないよ!
むしろ、嬉しい!! もう、絶対当日勝てそうな気
がする!笑 ありがとな!』

飛『あ、いえ。よかったです😊
なら、もう遅いので寝ますね。』

白『そうだな! おやすみ😪』

白石先輩とLINEしてる時になぁちゃんからもLINEが来てた

西『チャンスに攻めないと悔いが残るで
それだけ! また明日な〜』

なにこれ。でも、そうだよね

飛『あの!』

飛『私は先輩の彼女になれますか?』

既読がすぐにつく

飛『あ、やっぱり聞かなかったことにしてください!
ごめんなさい。おやすみなさい!!』

既読がすぐにつくけど返事が来ない。
あーあ。調子に乗った。いつもはこんなこと言わないのに。結構メンタルにくるな、明日なぁちゃんに癒してもらおう。



試合当日、私は約束してたこともあってお弁当を持って会場に行った。白石先輩に会うのは気まづかったからクラスのバスケ部の子に渡してもらった。

午前中の試合は白石先輩の調子があんまり良くなくて、2試合ともぎりぎりで勝ってた。午後の試合は白石先輩が絶好調で大差で勝ってた。残すは決勝戦、なぁちゃんに連れられて、一番前の席で応援する。
一瞬白石先輩と目が合った気がした。その瞬間2点差で負けてる乃木高は一気に攻める。あと2秒。白石先輩にボールが行く。結構離れてる場所からのシュートは、ブザーと共に綺麗な放物線を描いてゴールへ吸い込まれていった。スリーポイントのブザービート。
うぉーー!歓声が沸き起こる。みんなが白石先輩を抱きしめてる。



私は外の空気を吸ってくるといって、その場を離れた
あのまま、あそこで白石先輩の姿を見るのが辛かったから。外のベンチに座って俯く

白「飛鳥」
飛「主役がここにいていいんですか」
白「飛鳥、こっちみて?」
飛「嫌です。」
白「LINE、返事しなくてごめんね?
あと、お弁当ありがとう。めっちゃ美味しかった!
飛鳥のお弁当のおかげですんごいやる気出てきて優
勝できた!」
飛「……。」
白「飛鳥。俺の彼女になってください!」

私は顔を上げる。

飛「え?」
白「今日の試合で勝ったら俺から言おうって決めてた
んだ。
けど、飛鳥からLINEで先に言われちゃって😅
色々考えてたら既読無視になっちゃって。
ほんとにあの時はごめん!」
飛「あの、ってことは、私は先輩の彼女になれる
ってことですか?」
白「うん! 飛鳥が好きです、これから宜しくお願いし
ます!」

私は白石先輩の彼女になれました。
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