BOOK:79 りある

□☆代わりは俺だけ
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知念が仕事で海外に行くことになってしまい、それが二週に一度しかないこの収録に被ってしまったのだ。

海外行きが決まった…つまりその仕事が決まった瞬間は「すげーじゃん!すげーじゃん知念!」と、誰よりも嬉しそうに飛び上がっていたというのに、海外に行く日に近づくにつれ、だんだん山田のテンションが下がっていくのがわかり。
最終的には、その旅立ちの日、たった一週間を一生の別れかのように大げさに話して涙ぐみ、知念本人にも呆れられていたという。(圭人談)


そんな男が、知念と離れて数日。
果たしてどうなっているのか。
…想像するだけで恐ろしい。


しかし、会うしかないのだ。仕事だから。
楽屋の前、息を吸い込み、扉を開いた。




「…あ、おはよ」


すでにそこにいた山田は思ったよりも普通で。
それがまた怖いんだけど。
…でも号泣とかしてなくてよかった。

「おはよ」

と、なれば。
普段どんな感じで話していたか戸惑い、なんだかやけに素っ気なくなってしまった返事。

もっと
「知念が、知念が…!」ってなってるかと思ってたから驚きだ。
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