BOOK:79 りある
□★恋を始めた日
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…ただ。
「あ、裕翔くんからだ」
「………歩きながら携帯いじんのやめろよ。転ぶぞ」
…あんまりのんびりしても居られないかな。
きっと、ライバルはいたるところに。
こうして2人並んで歩いた真っ白な世界は、今まで見たことないぐらいにキラキラ輝いていた。
…とりあえず今は、この2人っきりの時間を大切にしよう。
誰よりも特別な君との時間をね。
そんなことを考えながら
真っ白な世界、ポケットの中でつないだ手をギュッと強く握りなおすのだった。