BOOK:79 りある

□☆忍ばせた想い
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「すげぇ。」


大音量の中、一人、椅子に縫い付けられたように動けなくなっていた。


なんども「すげぇ、」と呟いて。


頬には涙が乾いた後。

早く立たなきゃ。


次の仕事もあるから、いつまでも余韻に浸っていちゃダメだってわかっているんだけど。


衝撃と感動と、ほんの少しの焦り。

そして何より



誇らしさで、



エンドロールが終わっても、俺はそこから立ち上がれないでいた。
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