BOOK:79 りある

□☆君離れ
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「…なんだよ、それー。」


そんなこと言いながらも緩んだ俺の顔。

知念にはきっとすべてお見通しなんだろうな。


「当然のこと聞かないでよー」

なんて可愛い笑顔が返ってきて、またギュッと抱きしめて目いっぱいその香りを吸い込んだ。


知念はちゃんとここにいる。これからも、ずっとね。



「だから、そのための第一歩。後輩とも仲良くできるんだよーって。

まぁ、実際健人といると楽しいしね。」

「おいコラ。」

「涼介も今度一緒にご飯行こうよー」



健人楽しい発言は、非常に余計だけど。そういうことなら仕方ない。

知念が今後も仕事をしていくために、それが必要なら甘んじて受け入れようではないか。

俺だって、役者としての知念をこれからもっと見ていきたいし。



多少の「涼介離れ」は仕方ないって、受け入れようじゃないか。


知念が大好きな仕事をずっと続けていくためならね。



ーーーーーーーーーー



「そろそろ、涼介離れの時期、ですかね……。」



これまでも取材してくれて、そのべったり具合を知っているそのインタビュアーは驚いたように

「寂しくないの?」と聞いた。



俺はそれこそ、満面の笑みで答えてやった

「いや、寂しさは…ないですよ…(笑)」





だってプライベートでは、一生俺が知念のこと甘やかさなきゃいけないんだからね。





Fin.


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