BOOK:79 ぱろでぃ

□A只今、天使研修中 After Lesson
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すみません、私の力不足です。
続けられた言葉に、驚きなのかなんなのか、わからないけど、とにかく、声も出ない。



「えっと…」



それって、つまり……。




「人間界に戻って。また、修行の日々、ですね。すみません」


なんども謝る先生だけど。



それって、僕。







生き返れるってことだよね…?





言葉も返せず目を見開く僕に、先生は困ったように首を振っている。

「2月いっぱいが研修の期限でしたので。現在の数値が評価の基準になるんです。」

授業態度も良かったのに、残念です。

やっぱり何も言えずに、ただ先生を見返すと、先生はゆっくりと笑って。
諭すように、教えてくれた。

「個人に深入りしすぎる、というのも、天使にはあってはならないことですが…。

あなたのパートナーは…
あなたの記憶を失ったのと同時に、感情も失ったようですね。」

「………感情、も…?」「はい。」

コクン、と頷き、もう一度見せられたタブレット。

「今の彼は、ただ起きて息をし、飯を食べ、仕事をするだけの……もはや機械です。人間とは言えません」

「……人間とは、言えない…」

「はい。AIの方がもう少し感情的ですよ。」

……先生、天使なのにめちゃくちゃ辛辣じゃないか。
唖然としてモノも言えない僕を見て、もう一度だけため息をついた。

「…本当に、残念です。では、これに記入を」


そうして、なにか書類のようなものにサインして、
諸注意みたいなのを受けて。

目を閉じて。

















次に目を開いた時、そこには……



「っは!先生!先生!!!侑李!!!!!!!」


家族がいて。

動こうとすると、ズキンといたんだ腕。
見ると、管が繋がれている。




……僕、生き返ってる。










「………うそだぁ…」





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