おはなし
□FUNKY
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デジタル時計の青白い光が、午前1時を知らせている。
外の街明かりに照らされ仄明るい部屋には、無造作に寝息を立てる友人たちの姿がある。
まだふわふわと酔いが回った頭のまま、二宮ひぼーっと座っている。
『カズ、寝ないのか?』
この部屋の主で先輩の大野に尋ねられ、ふと我に返ったようだ。
「あぁ......なんか眠る気にならなくて」
『俺も。ベランダ出よう。』
「ん。」
連れ立って8月の夜気を吸い込む。
昼間のサークル活動の後、幾度となく宅飲みをしている。駅裏にある大野の住むマンションも、その場所のひとつになっており、今日も仲間うち数人で集まって他愛もないノリに盛り上がった。
騒いだ後の静かな夜が、二宮は嫌いじゃなかった。