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□愛しすぎて苦しいの。
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愛しすぎて苦しいの。@
ブラックコーヒーを飲むだけでまた思い出してしまうんだ。
僕はブラックコーヒーが好きで、ジョングクはキャラメルマキアートが好きで。
二人とも笑いあって[見た目と違うね]って笑いあったあの時を、幸せだったあの時を。
デスクに戻ってまた思い出してしまっていた間に部長から呼ばれていた。
〔…ク、パクっ!!おい、お前集中しろ〕
「すいません…」
僕ってなんなんだろう、
こんなに思い出に入り浸って、悲しくなって…
悲しいなら思い出さなければいい。
入り浸らなかったらいい。
…そんな簡単な問題なんかじゃなくって、思い出さないようにしようと思えば思うほどもっと深く、強く、色濃く思い出してしまう
そんならどうしようもない僕の心は、どうやったら治るんだろうか。
「…はぁ、」
別れてもう半年経った。
一方的に別れているだけ。
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学生だったジョングクと四年の僕。
ダンスサークルが同じで知り合い、話の合う先輩後輩として関わっていたのだけれど。
そんな恋人関係になってから僕はウソばかりつくようになってしまった。
『今日は早く帰れない』
ーうん、わかった。
大丈夫なんかじゃない、寂しい。そばにいて一緒にデートしたかった。
『今男友達と食堂にいるから』
ーそうなんだね、じゃあダメだね。
…ウソじゃん、校門前で女の子と一緒にいるじゃん。
僕は幾つウソをついてきたんだろうか、ウソにとらわれウソに纏われ。
自分を守るためだけに、気付きたくなんてなかった。
ジョングクが僕を好きじゃないことを。
…じゃあ一体なんで僕達付き合ったの?
じゃあなんで"ウソ"ついたの?
卒業が近づくたびにずっとぐるぐると頭の中を巡った。
そう、ある日。僕は友人に聞いたんだ。
「これって、別れるべきなのかな?」
《あぁ、別れた方がいい。俺の方がまだそいつよりかは幸せにできる気がするくらい、ね。》
その時の親友は唯一僕とジョングクが付き合っていることを知っていた。
その時気がついたんだ。
…あぁ、周りから見てもそうなんだ。
冷静になって一気に我に帰ったんだ。
それで僕は連絡先も消して、卒業後の連絡を取れないように自らが自らを守った。
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