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□先輩テヒョン×新入りジミン
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2🦁🐣意地悪🦁×新入り🐣
それからというもの、テヒョン先輩は何事もなかったかのように仕事を続けていた。
もうそろそろ五時になりそうだった。
いつもなら終わって嬉しくて早く帰るはずなのに今日は何故だか少し淋しく感じた。
途中まではすごく喋ってくれてたのに、最後らへんになって話しかけなくなって静かに作業に励んでいた。
自分の仕事をやってくれて、僕の仕事が減るのはもちろん嬉しいのだけれど…
しかも、真面目なところも見れたし。
でもなんか最初と違って話しかけなくなって少し淋しく感じた。
「お疲れ様でした、、」
そう呟いて、着替え室に向かおうと踵を返した時、
『待って、』
手を引かれて僕の足を止まらせたテヒョン先輩。
『これ、持ってってよ。』
手に持たされたのはまだ出来立ての抹茶揚げドーナツとアップルパイ。
「あ、りがとうこざいます…」
『何あげたらいいか悩んでて、、せっかくならジミンの好きな種類のあげたくて…これ、食べてよ。俺の手作りだから…じゃあな!』
…唖然と立ち止まってしまう体と反比例するようにドキドキ高鳴る鼓動。
着替える部屋について、甘い匂いと空腹感に誘われてドーナツを一口齧った。
アップルパイが何か違うなぁ、、って思いながら食べていると袋の中に入っていた白い紙を開けた。
『アップルパイはシナモンとか、アレンジしてみた。抹茶の揚げドーナツは中に甘納豆くわえてみたりしたから美味しかったら教えてよ。
テヒョン』
アップルパイがシナモンの香りに包まれて、より一層美味しく感じる。
甘酸っぱくって、ふわふわと香るスパイスの香りが僕を誘う。
「もう…これ以上好きになりたくない、、」
僕の食べていたドーナツを食べるをやめた。
甘くって、それはちょっぴり苦かった。
握りしめた白い紙はくちゃくちゃになってしまって、ドーナツを包む白い紙に水玉模様がいくつかできた。