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□Bomnal
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彼女持ち二股🐯×🐯に片思い🐣
《ただの浮気相手でいい、片思いでいい。あなたからの愛なんて、見返りなんて。求めてない。だけどウソでいいから隣にいてよ》
「テヒョン、?今日は会える?」
『ごめん、今日も彼女から誘われて、』
「あ、うん…そうだよね、分かった」
こんな風に断られてきたのは何回めだろうか。
何度も起きすぎて、何回起こったのか分からないほど常習的になっている。
…といっても、これは僕の片思いだから。
_____
こんな曖昧な関係が始まったのも、テヒョンを困らせているのも僕が始まりだった。
「テヒョン君、好きですっ!…付き合ってください!」
勇気を出して初めてした告白の相手は男。それも学校で一番イケメンとして有名なテヒョン君。
『あ〜じゃあ、二股。許してくれるなら良いよ』
軽く受け流したテヒョン君。
…その時は安易な考えで浮かれ気味だった僕は日々過ぎていくたびに現実を知るようになる。
「テヒョ、、ん。」
男女の''普通''の恋愛なんてものでもない、アブノーマルなこの関係、さらに重ねて二股の浮気相手、なんていう酷い事。
テヒョンが同じグループの仲のいい友達と話しているのを遠くから見る時感じていた。
''このままで、僕は本当に幸せになれるのだろうか''
僕の幸せなんて分かり決まったものだった。
小さい頃から運もなくて、努力だけが頼りだったこの僕。
ずっと生きてきてこのかた、幸せなんて僕に訪れる訳ないって思ってた。
だけどテヒョンに出会って、僕の幸せってこの人を見ている事なんだなぁ、って感じることが多くなった。
でも2人きりでいられる時間なんて殆ど無いし、2人きりになったってテヒョンの携帯が鳴り響いて急いでテヒョンの走る背中を見つめるだけだった。
「このままテヒョンの背中だけ、見て行くのかなぁ…」
そうやって考えれば、告白当初の自分と全く違うんだなって。
そばに居られれば、隣を歩けれれば。
ただそれだけで、僕の思いが伝わってればいいんだとか決めてたけれどやっぱり付き合うなら好き同士が大前提がいい。
こんなに見返りを求めてしまう欲深い自分がいるなんて知らなかった。
「…もう、いっしょにはいられないのかなぁ」
そう覚悟を決めていたのが高校3年の初雪が降った待ち遠しい日だった。
いつか別れることを見据えて、甘えないようにした。
彼に今心を許して仕舞えば、僕は失恋の傷は永遠に癒えないんだろう、と。
『なんか、ジミン変わったよな』
久しぶりに来たと思ったカトクにはそれだけ書かれていた。
「そうかな?」
僕はソウルの大学へ、テヒョンは…どうだったかな。
ソウルには行かないって聞いたような気がするから、もうこれで本当に終わりになるんだろうなって。
久しぶりに2人きりになった日。
デート紛いの遊びに誘われた。
テヒョンが朝迎えにきてくれて、映画見て、ランチを取って、夜まで遊び呆けて。
今までで一番楽しい日だった気がした。
歩いて、僕のお気に入りの公園に向かった。
その公園は桜の木が少し蕾をつけ始めていて、春を感じさせる公園になっていた。
噴水の近くのベンチに腰をかけて、僕が喋ろうと一息吸った。
「ねぇ、、テヒョン。」
噴水の水のお陰で涼しくなってきていた空気をさらに涼しくした。
『ん?なに?』
さっき通りかかったコンビニで買った肉まんとココアを手にして、こっちに意識を飛ばすテヒョン。
「…僕、離れたいんだ、、こんな息苦しい世界から」
『ん?ジミナどうしたんだよ〜急に変なこと言うなよって〜!』
軽く誤魔化して、背中をボンボンと叩きながら笑顔な彼を見つめた。
…冗談なんかじゃない、嘘じゃない、
「んーん、やっぱりなんでもない!」
何も言わずに違うところに行こうかな。
今、一緒に居づらくなったら僕が辛いんだもん
_____
TH
『会いたい、』
言葉にすればもっと会いたくなる。
写真を見たらもっともっと会いたくなる。
あの、少ない薄情な時間、君は何を考えてたの
俺はお前が憎い。
たった一回顔を合わせることもできなくなった俺たちが。
かからない電話番号に今日も連絡する。
冬になったこの地で、手を震わせながら番号を押す。
ぷるるる、となる音は途切れることはなかったのだけれど。
『あと、何回夜を過ぎたらお前に会えるのか。お前に会いたい…っ、』
その言葉をつぶやいた後にあの機械音が途切れる気がした。
「……はい、もしもし」
甘いサクランボみたいな声が俺の元に戻ってきた。
(寒い冬の終わりが過ぎたら、またあの日のように春の予感が感じれる日まで、あの花が咲く時までもう少し、待っててよ)
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