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□先輩テヒョン×新入りジミン
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🐯🐣意地悪🐯×新入り🐥
🐯年上🐣高校生🐰ちょい役
『おい、パクジミン!ここ、まだ残ってる』
「あ、は、はいっ!今行きます!」
パクジミン、18歳高校三年生。
絶賛ドーナツ店でこき使われてます。
『終わったらそれもやっといてー』
バイトリーダーのテヒョン先輩は一個も動かずに僕にひたすら指示してくる。
...本当、やになっちゃう。
夏休みの真っ只中。
暑くて暑くて、こんな日のドーナツを作るブースの担当は死にそうになる。
「ねぇ〜じょんぐがぁー、代わってよ〜」
バイトは僕を含めて5人。
〔嫌ですよ、さっさと揚げてください〕
このツンデレなジョングクと、バイトリーダーのテヒョン先輩。
テヒョン先輩はたしかに、カッコいい。
正直いうとものすんごくタイプ。僕はかっこよくて美しい顔が大好物でこのバイトに決めたのもテヒョン先輩が理由。
…でもまさか、あんなに鬼畜だったとは...
「ああ"…終わったぁー!」
2時上がりだった僕は急いで汗を拭いて着替えて賄いのドーナツ3つを手に取ってバイト先を出た。
____ジミンが出て行って...
『おい、チョンジョングク。』
〔はい、なんですか?〕
『お前、ジミンのこと好きだろ?』
〔はい。それがどうかしましたか?〕
実は入った時から気づいてた。
チョンがジミンのことを好きなこと。
なんか視線が熱いなぁ...ツンデレになってるなぁ...って思ってた。
『...あいつ、俺のものだから諦めろ』
〔なんでですか?あなたのものじゃないですよ。...俺は明日から本気になります〕
『はぁ?』
〔俺、諦めたくないんで。本当に....ジミニヒョンが好きなんで、〕
その真っ直ぐな汚れの無い心が俺とは正反対で、すぐ負けてしまいそうで。
『俺だって、絶対、負けないからな。覚悟しとけ。』
...絶対、諦めねぇ。
片思い歴何年だと思ってんだよ。
俺の片思い歴10年だからな!
____
夏休み期間で、ほぼ毎日のようにバイトのシフトを入れてるから今日も朝から夕方まで。
「おはようございまーす...」
軽く挨拶をして、脱衣所に行ってバイトの制服に着替える。
廊下に掲示してある担当分担表を見る。
「あー...今日は接客か..げ、テヒョン先輩が作る担当じゃん」
今日はテヒョン先輩は3時から夜の7時くらいみたいで少し安心した。
テヒョン先輩が作る担当になったら僕の仕事は倍になることは確実。
(めっちゃ疲れてんのに...)
「いらっしゃいま……せ、?」
そこにいたのは滅多にプライベートで来ることはないテヒョン先輩。
『えーっと、ジミン。やってるか?』
「あ、は、はい。」
『そ、その...今日からこき使ったりしないから、俺のこと...嫌わないで欲しい』
下に俯いていたけれど、耳が真っ赤になっていた。...なーんだ案外可愛い所あんじゃん。
「いいですよ、僕は。嫌ってませんし。」
そういうと、先輩がすごい速さでレジと客の区別されているドアを通り抜け僕に向かってきた。
『あー、本当。たまんない。』
ぎゅっと手を握られたかと思うと不意に頬に温かさを感じた。
「...な、な!?何してるんですか!?」
『え、いや、ぽっぽ?』
は!?なんか全然イメージと違うんだけど!?
「い、いや、急にしないでください!」
今までとうって変わって優しくて大胆になった先輩が少し、少しだけど...きゅんってした。
『俺、バイト無い日でもお前がいたら来るから。それと……俺が好きなのはこのホイップクリーム入ってるやつと……お前だから』
僕が呆然と立ち尽くしている間にさっさとお金を払って商品を受け取って帰ってしまった先輩。
「なんか、おかしいし。」
そうやって呟くけれど少し胸が締め付けられるように苦しかったし、嬉しかった。
「...もう、先輩なんか知らない」
3時になって人が多くなってきたこの時間帯。
2時半くらいからやってきていた先輩が僕のいるレジの方に来る。
『ジミン、お前も3時からキッチンだから』
「え、でも、僕...」
耳元にテヒョン先輩の口が近づいてきて、
『バイトリーダーの言うことは?』
耳元に当たるテヒョン先輩の吐息と、甘いけれど低い声が耳の奥にまで響く
「ぜ、ったぃ...です…」
『ん、いい子だね』
テヒョン先輩が手を伸ばして、僕の頭を撫でて来る。
テヒョン先輩の四角になる笑い方と、わしゃわしゃと撫でて来る手と...全てにドキドキが止まらない。
「…んテヒョン、先輩。やめてくださぃ…」
『嫌って言われれば、もっとしたくなる』
キッチンに移動していた僕とテヒョン先輩。
誰にも見られることはなかったけれどやっぱり凄く恥ずかしかった。
『このドーナツは中に練りこまれてたりするから低音の方が美味しくなるよ』
『これは、パイだから高温でね。』
手伝ってないふりして、意外と知ってたりするんだ…
『ねぇ、ジミン。ジミンはなんのドーナツが好きなの?』
「え、ぼ、僕…ですか?」
『うん。』
急に話を振られて、さっきまでのドキドキが止まらないまま話しかけられた。
「僕は...アップルパイと抹茶のクリスピードーナッツ…ですかね、」
すると驚いた顔をしたテヒョン先輩が、揚げているドーナツをみながら答えた。
『へぇ、なんか意外。…なんかこう、甘すぎるホワイトチョコかかったやつとか、かなぁーって思ってたんだけど。』
「僕、果物が好きで…アップルパイが大好きなんです。それと、母がよく焼いてくれていたので…」
『お前、可愛いよな。』
そう言う所が好き、そんな言葉が最後に聞こえてきた。
キッチンの熱気とは別に体の奥深くから来る熱があった。