しれんくんとひなた先生
□不安
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ん…………。
(目を開く。日向の様子を見るどころか、隣でうっかり寝てしまっていたらしい。今何時だろう)
9時?夜の、9時か……。
しまったな、病院は明日か。
(2時間くらい寝ていたのかもしれない。日向は相変わらず熱が下がってないのか少しあつい)
飯作るから、まっててくれな。
(詩蓮は立ち上がり、鍋に米を入れた)
おかゆってどう作るんだっけ?
(あまり作らないメニューのため、スマホでググりながら鍋を煮詰め始める)
お。割といい感じ?
鮭も入れとこうかな。
(冷蔵庫から鮭ビンを取り出した)
もうすぐできあがるかな。
(美味しそうな匂いが鼻を擽り、うっすらと目を開ける。まだ体は熱いが、動けなくはない。)
うぅ、しれんくん・・・・・。
(熱でやられてる時はどうも寂しくなりやすいようで、しれんくんの匂いで充満しているこの部屋で当の本人がいない。寂しくて寂しくて、胸がきゅうううっと締め付けられる。)
しれんくん・・・・しれんくん・・・・。
(匂いのする方へよたよたと歩いていく。すると、キッチンの所で格闘しているしれんくんの姿があった。)
しれんくん・・・・。
(背中に掴まり、ぎゅうううっと抱きしめる。)
っおわ!?なんだ、ひなたか。いいんだよ、寝てても。
(抑えろぉ。平常心平常心。)
・・・・・やだぁ。一人はやーや。
(猫撫で声で甘えてくる。流石に病人に欲情するほど飢えてるわけではないと思っていたい。)
わかった、わかった。ほら、おまじないかけてやる。
(そう言ってひなたの腕を解き、額にキスをする。熱が下がりますようにと願いを込めて。)
(夕食後、暖かいお湯を使って清拭だけ済ませ、布団をかける。と、すんなり眠りについた)
ゆっくり休んでろ……。
(明日は仕事がある為、病院まで送ることしかできない。だが、なるべく早めに帰るよ、とキスを落とした)
(朝、病院まで日向を送る)
日向、1人で大丈夫か?
何かあったら連絡して。
大丈夫。詩蓮くんのおかげで身体は楽になったよ。
帰りはタクシー呼ぶしね。
お仕事気をつけて、いってらしゃい♡
(と、車窓から手を伸ばし、詩蓮の内に曲がったエリを直す)
ありがとう、日向。
(仕事に向かう恋人を見送り、一息つく)
ふぅ、風邪薬もらいに行かなくちゃね。
(日向は受付に名前を書き込んだ)