Novel2
□Green eye
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黒い毛並みのカガリの愛猫は、愛らしい仕種で彼女にじゃれつき、こちらをちらりとみて短く鳴いた。
その顔が、したり顔に見えたのは幻覚か。
「…………」
「おい」
無言でカガリに近寄り、そのクロネコの首を掴むと床に降ろす。
呆れたカガリの抗議を無視して、ぎゅうぎゅうに抱き着いた。
「おい、アスラン」
「にゃん」
怒りで頭のネジが壊れたのか、口をついて出たのはそんな言葉だった。
「全く、しょうがない猫だ」
昨晩、俺の腕で鳴いていた蜂蜜色の猫は甘く笑って俺の髪を撫で混ぜた。
エンド
「それにしても、お前はまだあのこと仲良く出来ないな」
「出来るわけないだろう」
「こんなに可愛いのに。なぁ、アレックス」